NYダウ: 18868.14 ▼54.92 (11/16)
NASDAQ: 5294.58 △18.96 (11/16)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は連日で史上最高値を更新していたこともあってトランプ氏の政策への期待から買われていた金融やインフラ関連などの銘柄に利益確定の売りが出て終始マイナス圏での推移となりました。昼過ぎに100ドル安近くまで売られたダウ平均は、その後やや下げ幅を縮めたものの結局54ドル安の18,868ドルと8日ぶりに反落して取引を終えています。また、S&P500株価指数も3ポイント安の2,176ポイントと反落しています。一方で売り込まれていたアップル(AAPL)など時価総額の大きいIT関連銘柄の一角に買い戻しの動きがみられたことでハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は18ポイント高の5,294ポイントと続伸となっています。
2.経済指標等
10月の米卸売物価指数(PPI)は前月比変わらずとなり市場予想を下回りました。10月の米鉱工業生産も前月比横ばいとなり上昇を見込んでいた市場予想を下回りました。10月の米設備稼働率も0.1ポイント低下の75.3%となり市場予想を下回っています。11月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数は63となり市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融やエネルギー、公益事業など8業種が下げ、金融は1%を超える下落となりました。一方で電気通信サービスと情報技術、一般消費財・サービスの3業種が上げ、電気通信サービスが1%を上回る上昇となったほか、情報技術も1%近く上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではJPモルガン・チェース(JPM)やゴールドマン・サックス(GS)といった金融株のほか、メルク(MRK)やキャタピラー(CAT)などトランプ氏の政策への期待から買われていた銘柄が売られました。反対にアップルが2%を超える上昇となっています。ダウ平均構成銘柄以外では決算が市場予想に届かなかったホームセンター大手のロウズ(LOW)が大幅安となりました。また、投資判断の引き下げを嫌気してバンク・オブ・アメリカ(BAC)が売られ、広告効果を示すデータに誤りがあったと発表したフェイスブック(FB)も軟調でした。一方で四半期決算が市場予想を上回り業績見通しを引き上げた小売りのターゲット(TGT)が大幅高となったほか、投資判断の引き上げを受けてウォルト・ディズニー(DIS)が堅調でした。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い2.22%となりました。ドル円は109円台後半まで円安が進む場面もありましたが、朝方は108円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場でダウ平均が反落となったことや、円安も一服となっていることから本日の日本市場は売り優勢でのスタートが予想されます。利益確定の売りが出やすいなか日経平均が底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)