縁故地方債
縁故
地方債
地方債地方債とは、地方自治体が特定の公共プロジェクトや運営資金を調達するために発行する借入証書です。これには市町村や都道府県などの地方自治体が含まれます。
地方債は、一般的には地方自治体が将来の税収やその...
とは、地方公共団体が関係の深い特定の取引先に対して直接発行する地方債のことです。通常の
公募
公募公募とは、企業や政府が広く一般の投資家から資金を調達する目的で、株式や債券などの有価証券を募集することを指します。新しく発行される有価証券の購入を不特定多数(50名以上)の投資家に対して取得申し込みを...
地方債とは異なり、証券市場を通さずに発行される非公募債です。
縁故地方債の主な
引受
引受引受とは、金融機関や証券会社が、企業が発行する株式や債券を市場に出す前に一定量を買い取ることです。この行為によって、企業は資金を確実に調達できるというメリットがあります。
引受にはいくつかの種類があ...
先には、地方銀行、信用金庫、農協などの地域金融機関や、政府系金融機関などがあります。これらの金融機関と地方公共団体との間の信頼関係や地域とのつながりを基に発行されるため、「縁故」という言葉が使われています。
この
債券
債券債券とは、政府や企業が資金を調達するために発行する借金の証書です。債券を購入することで、投資家は債券発行者から将来的に元本と利息を受け取る権利を得ます。
債券には様々な種類があり、国が発行する国債、...
の特徴として、比較的小規模な発行が可能であること、機動的な発行ができること、発行コストが低いことなどが挙げられます。そのため、地方公共団体にとっては柔軟な資金調達手段として活用されています。
一方で、縁故地方債は公募債と比べて
流動性
流動性流動性とは、資産の変換のしやすさを示す概念です。
資産の流動性とは、価格に大きな影響を与えず速やかに資産を処分できる度合いを意味します。例えば、上場株式は速やかに株式市場で売却できることから、相対的...
が低く、発行条件の透明性も劣る傾向があります。また、特定の金融機関に偏った資金調達となる可能性もあるため、地方公共団体は公募債とのバランスを考慮しながら発行を行う必要があります。
近年では、地方債の発行における市場化の推進や、地方公共団体の財政の健全性・透明性向上の観点から、縁故債の割合を減らし、公募債の比率を高める傾向にあります。ただし、小規模な地方公共団体にとっては、依然として重要な資金調達手段となっています。