協調介入後の米ドル/円相場の現状と日米金利差

・2026年7月末に行われた日米協調介入によって、米ドル/円は一時155円台まで急落したものの、その後は再び160円近くまで戻る動きが見られた。

・米国の利下げ観測などにより日米の金利差は縮小しているものの、米ドル/円相場はそれに反応せず、円安方向に推移している。

長期金利の上昇と財政政策の影響

・足元での日本の長期金利(10年債利回り)の上昇が、米ドル高・円安の動きと連動している。

・この長期金利上昇の要因として、日銀の利上げ観測だけでなく、高市政権の消費税減税などに関する不透明な財政政策に対する懸念(財政規律への懸念)が影響している可能性がある。

・為替介入で円高にしようとしている一方で、円安を招きかねない財政政策を進めているという、政策の矛盾(ちぐはぐさ)が懸念されている。

1998年の協調介入との比較と米ドルの脆弱性

・1998年の協調介入時も最初は円安が止まらなかったものの、その後のヘッジファンド破綻(LTCMショック)などを機に米ドルが急落し、結果的に円高に転じた。

・今回の協調介入で、米国が「ドル売り」ではなく「ユーロ売り」を行ったのは、日本のレートチェックを機に投機筋のドル売り越しが急拡大していたため、米ドル売り介入が米ドルの暴落を招く恐れがあったからではないか。

・米ドル売り介入ができないほど、足元の米ドルの地合いは非常に脆弱な状態になっているのではないか。

米ドルの実質実効レートと今後の見通し

・米ドルの総合力を示す「実質実効レート」を見ると、トランプ政権発足以降、一貫して低下傾向にある。

・テクニカルな視点で見ても、長期的な上昇トレンドを支えてきた5年移動平均線を割り込みそうになっており、長期的な下落トレンドへと転換する可能性が考えられる。

・このような背景から、現在は「円が暴落する」のか「米ドルが暴落する」のか、どちらに向かってもおかしくない局面にきているようだ。