移動平均線とトレンドラインの併用で押し目買いのタイミングが分かる

前回のコラム「トレンドラインの突破で日経平均株価はどうなる?」では、突破されたトレンドラインについて「これまでの上値の抵抗線から今後はサポートラインに変わり、株価の下値支持線としての役割に変化することになる」と指摘しました。その後、実際に指摘した通りの値動きとなりました。

先週(5月25日週)の日経平均は以下のチャートのとおり、5月25日(月)に上値の抵抗となっていたトレンドラインを突破し、終値で65,000円をつけたあと数日間65,000円近辺で伸び悩みました。5月28日(木)に日経平均が上向きの5日移動平均線を下回る場面があり、この日につけた安値(63,875円)と2025年10月31日の終値と2026年2月27日の終値を結んだトレンドラインを引きました。その後5月29日(金)には日経平均は終値で66,000円を突破、6月3日(水)には取引時間中で68,000円を突破しました。5月28日の安値で下げ止まり、トレンドラインがきれいにサポートとして機能しているのが分かります(図表)。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※移動平均線の期間は5日(青線)、25日(赤線)、75日(グレー線)で設定
※出来高はプライム市場
※モメンタムの期間は10日(青線)で設定し、モメンタムの3日移動平均線(赤線)も表示

このように、移動平均線と併用してトレンドラインを引くと、トレンドが継続しているかどうかに加え、値動きについていけないと嘆く投資家にとって、押し目買いのタイミングも同時に判断することができたことになります。単に高値と高値を結んだトレンドラインではありますが、知っておくと役に立つ優れモノであり、初心者から中上級者まで覚えておきたいテクニカル分析手法と言えるでしょう。

モメンタムは逆行現象が消えた?

一方、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムについてはどうでしょうか。前回は「2本線の水準が切り上がるかが今後の注目ポイント」と解説しました。さらに、「2本線の水準が切り上がるようですと、上昇の勢いが強まるとともに逆行現象の発生が打ち消されることになる」とも指摘しました。またモメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が水準を切り上げ、4月16日につけた高水準に接近しているのが分かります。したがって、ここでも逆行現象が消えつつあります。こうした状況から、今週(6月1日週)は2本線がピークアウトするかが注目ポイントになりそうです。

仮に2本線が上昇を続けても、ピークアウトして横ばいや下向きに変化するようですと、上昇の勢いが弱まり、5日移動平均線上を維持できなくなったり、割り込んだまま戻せなくなったりすることが考えられます。反面、モメンタムの上昇が継続するようですと、5日移動平均線上を維持するとともに、高値更新の継続も期待されそうです。

マーケットが大きく変化すると、「テクニカル分析は役に立たない」という発言を耳にすることがありますが、実際はこうしたシンプルな手法だけでも十分トレンドの把握と売買タイミングを計ることができますので、是非覚えておくようにしてください。