1.概況
本日の日経平均は216円高の2万2821円と大きく上昇しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数も上昇しましたが新興市場のマザーズ指数は小幅に下げています。昨日の米国市場でダウ平均が小幅ながら上昇したことを受け、日経平均は53円高の2万2657円と反発して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に急速に上げ幅を広げるとまもなく上げ幅は200円を超えました。一時は253円高まで上昇した日経平均は前引けにかけてやや上げ幅を縮めて182円高で終えました。日経平均は後場に入ると前場終値近辺の非常に狭い値幅でのもみ合いとなり結局216円高と高値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆3463億円となりました。東証33業種はその他製品を除く32業種が上昇しました。中でも鉱業やゴム製品、海運業、石油石炭製品などが大きく上昇しました。東証の規模別株価指数を見ると大型株指数が1.2%高、中型株指数が0.9%高、小型株指数が0.9%高と大型株優位の1日となりました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は上昇した銘柄が多くなりました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)は4.7%の大幅高となったほか、トヨタ自動車(7203)、ファーストリテイリング(9983)、ヤフー(4689)、ソニー(6758)、三菱UFJ(8306)が上昇しました。一方で任天堂(7974)が1.5%安となったほか、引き続き半導体関連の下げがきつく東京エレクトロン(8035)が3%安、SUMCO(3436)が4.3%安とそれぞれ大きく下落しました。その他材料が出たところでは、九州を中心にドラッグストアを展開するコスモス薬品(3349)が6.2%の大幅高となりました。外資系証券がレーティングと目標株価を引き上げたことが好感されました。一方で居酒屋運営の鳥貴族(3193)は5%近い大幅安となりました。昨日発表した本決算で5-7月期の営業利益が前年同期比55.9%減と冴えなかったほか、今期予想も小幅な増益にとどまったことが嫌気されました。寄り付き後に11%超下げた後に一時は昨日の終値近辺まで戻す場面もあるなど値動きの荒い展開となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は200円を超える大幅上昇となりました。一昨日に日経平均が300円近く上昇した際は先物主導のやや特殊な上昇でしたが、本日はTOPIXの上昇率が日経平均を上回り、東証1部の値上がり銘柄数は1,500超に達するなど大型株を中心に幅広い銘柄が買われた印象です。米中が通商問題を巡って再交渉する可能性が報じられたことで事態打開に向けた期待感が高まったのかもしれません。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)