1.概況
本日の日経平均は291円高の2万2664円と大幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400、マザーズ指数も上昇しましたが東証2部指数は小幅に下落しました。昨日の米国市場で主要指数は高安まちまちだったものの、ドル円が円安に振れたことが好感されて日経平均は96円高の2万2469円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後もほとんど押し目をつけることなく上げ幅を広げると前場を222円高で終えました。日経平均は後場寄りから一段高となるとしばらくは高値圏でもみ合いましたが、大引けにかけても堅調に推移し、結局291円高と1日の高値近くで取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆1171億円となりました。東証33業種は石油石炭製品や医薬品、食料品などの26業種が上昇しました。一方で鉄鋼や保険業、パルプ・紙などの7業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが上昇しました。売買代金トップのヤフー(4689)こそ2%超下げたものの、任天堂(7974)、ソフトバンクグループ(9984)、ファーストリテイリング(9983)、トヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)、武田薬品(4502)、三菱UFJ(8306)がいずれも上昇しました。ヤフーは第2位株主である米アルタバが保有株すべてを売却すると発表したことで株式需給が悪化するとの懸念が出て売られました。その他材料が出たところでは、香港のファンドが資金支援を行うと報じられたパイオニア(6773)は一時は11%超まで上昇しましたが、終値では3.2%高となっています。また、米半導体メーカーを約7500億円で買収すると発表したルネサスエレクトロニクス(6723)は4.4%高となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は大きく上昇し、1.3%高となりました。TOPIXも上昇しましたが0.7%高と上昇率は日経平均の半分程度にとどまりました。東証の規模別株価指数では大型株0.9%高、中型株0.5%高、小型株0.2%高と大型株優位のマーケットでした。東証1部の上昇銘柄数1,058に対し、下落銘柄数は942と拮抗しており、本日の日経平均の上昇は先物主導のやや特殊な上昇だったと整理できそうです。2万2000円台後半の値固めをし、再び2万3000円突破にトライできるかが足元の注目材料と言えそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)