1.概況
本日の日経平均は92円安の2万2487円と5日続落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。中でもマザーズ指数は2%超の大幅安となっています。昨日の米国市場でダウ平均は上昇したものの、ナスダック総合指数が大幅安となったほか、朝方に北海道で発生した地震の被害も重荷となり日経平均は121円安の2万2458円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に160円安あまりまで下げ幅を広げた後に持ち直し、45円安程度まで下げ幅を縮めましたがその水準で上値を押さえられるとその後もマイナス圏での推移が続き、前場を52円安で終えました。日経平均は後場に入ると狭い値幅でのもみ合いとなり、結局92円安で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆2328億円となりました。東証33業種は鉱業とガラス土石製品のみ上昇し残る31業種は下落しました。中でも北海道の地震発生に対する保険金支払い増が懸念され、保険業が2%を超える下げとなりました。その他にもその他金融業、その他製品、精密機器、石油石炭製品などの下げが大きくなりました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)は3.6%安となりました。日経平均に採用されるのではとの観測がありましたが、結果的に採用されず失望売りを誘いました。売買代金8位に入ったスタートトゥデイ(3092)も同様に日経平均採用期待が出ていましたが採用されなかったことで失望売りが出て7.2%の大幅安となっています。また、アパート投資サービスのTATERU(1435)は従業員が顧客から提供を受けた預金残高データを改ざんし銀行の融資審査を通りやすくしていたと報じられて以降日中に寄り付かず連日ストップ安となっていましたが、本日は9時40分に寄り付きました。売買代金5位に入る大きな商いで終値は30%近い大幅安となりました。一方でソフトバンクグループ(9984)やファーストリテイリング(9983)、ソニー(6758)、三菱UFJ(8306)は上昇しました。日経平均への採用が決まったサイバーエージェント(4751)は一時は3%以上上昇する場面がありましたが終値では0.2%高と小幅高となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
北海道で発生した地震の被害にあわれた方々、また先日からの大雨の被害にあわれた方々に心からお見舞い申し上げます。日経平均は5日続落となりましたが比較的小幅な下げにとどまっています。株価の本格上昇には引き続き通商問題の進展が待たれるところです。また、関西国際空港と北海道の新千歳空港が同時に閉鎖されており、長引けば観光関連を中心に実体経済への本格的な悪影響も懸念される可能性がありそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)