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表の見方について広木が動画(約12分)で解説しています。

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PORTFOLIO OVERVIEW(18 Dec 2017)

今週のFX-1はドルのネット・ロングを維持。しかし、サイズは先週の22.8%から今週は4.9%へと大幅に減らした。主な理由は、これまでドルにのみ点灯していたキャリー・シグナルが豪ドルとNZドルにも点ったからである。これによってキャリー・ファクターからドルをロングする要素がこれら2通貨に拡散し、結果ドルの最終ポジションも縮小することになった。

ロング通貨は変わらずユーロと、そして相関の高いスカンジナビア通貨、あとは円と英ポンドである。今週は円がユーロにとって代わって最大のロングとなったが、日本もユーロ圏も堅調な成長が続いている。先週のデータは若干ながら日本のほうが強かった。われわれのバリュエーション・モデルによれば円はまだ安く、ユーロは少し割高である。

ショートも先週と変わらないが、上述の通り、豪ドルとNZドルはキャリー・シグナルを獲得した。このファクターによるロングの指示が、グロースとバリュエーション・ファクターによるショートの指示を相当程度相殺している。

グローバル景気は成熟期に入っている。成長はトレンドを上回ってまだ上昇している。FXの観点からは、クロスボーダーな資本フローを促すものは景気サイクルの初期ではなく成熟期においてより重要なもの、すなわちキャリーにシフトしていくだろうと思われる。ほとんどの中央銀行は記録的な低水準に金利をとどめ、いくつかの中銀はQEを続けている。

しかし景気サイクルは成熟し、ボラティリティが低位にとどまるなか、キャリーがある国々においてクロスボーダーな資本フローのより重要なドライバーになるだろう。

FX-1のキャリー・ファクターは米ドル、豪ドルそしてNZドルにロングのフラグを立てている。後者2つの通貨は金利が上昇しているから、という理由ではなく相対的な金利水準の高さのためである。

われわれはまだ金利の上昇トレンドは抑制されたものになるだろうと考えている。だからキャリーがFXの支配的なドライバーであるような世界に戻ることはすぐにはないだろう。しかし、これまでに比べてその重要性はより高まっていると思う。

DeepMacro

DeepMacro社は、ビッグデータ技術を利用して、自動的かつリアルタイムにグローバルなマクロ経済を観察・分析し、これを基にマーケットの分析を行う米国のリサーチ会社です。詳しくは、こちらをご覧ください。

DeepMacro FX-1 Strategy 通貨モデルの説明

概要

DeepMacro FX-1 Strategy 通貨モデルは、DeepMacro 社のグローバル・マクロ・システムに基づき、G10通貨についてシステマティックなポートフォリオ戦略を提供するものです。通貨の変動を説明する様々な要因を捉え、DeepMacro 社のリサーチ・システムの膨大なデータを、流動性が高く割安なポートフォリオに変換します。

キーファクター:

成長要因:

強い景気サイクルにある通貨を買い、弱い景気サイクルにある通貨を売ります。この判断は別のモデル体系であるDeepMacro 社の「Growth Factor」に基づきます。「Growth Factor」は主要国のビッグデータを含む経済成長に関するリアルタイム・インディケーターです。

キャリー:

高いキャリーの通貨を買い、低いキャリーの通貨を売ります。しかし、高キャリーは高リスクでもあります。したがって、リスクに見合うだけのキャリーが得られる場合のみ、このファクターによる投資判断を行います。

バリュエーション:

割安な通貨を買い、割高な通貨を売ります。経済理論では、高い生産性の伸び、高い輸出価格、大きな経常黒字の通貨は高くなることが示されています。このモデルのバリュエーション・ファクターはこれらの要因にもとづき割高・割安の判断をおこないます。

グローバル・リスク:

投資家のリスク回避姿勢が強まった時には、いわゆる「セイフ・ヘイブン(安全な寄港地)」通貨を買います。DeepMacro社では金融市場の価格に基づいて市場のリスク選好度を見積もっており、「グローバル・リスク・インディケーター(GRI)」を算出しています。GRIが点灯した場合、モデルは日本円、スイスフラン、米ドルなどへの買いを指示します。

ポジション調整:

モデルは対米ドルで9通貨のポジションを表示します。モデルは各通貨への集中度制限などリスク管理のルールを適用し、最適化を行った結果としてポートフォリオを構築します。