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表の見方について広木が動画(約12分)で解説しています。

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PORTFOLIO OVERVIEW(4 Dec 2017)

今週のFX-1はドルのロング・ポジションを大幅に積み増した。先週の12%から22%へとほぼ倍にした。主な理由は初めてキャリー・ポジション - スイス・フランに対してドルのロング - を組んだからだ。金利差が拡大を続け、われわれはずっと環境が整いつつあると述べてきたが、ついにポートフォリオで実現に至った。

FX-1モデルにおけるキャリーのファクターは、単純な金利差ではなく、金利差をボラティリティで割った値を用いる。リスク1単位当たりの金利差とも言える。ボラティリティの水準がようやくキャリーをおこなうのにじゅうぶん見合う水準になった。それがスイス・フランに対して「ON」のシグナルが点灯した理由である。

ロングは相変わらず、最近の中核的なロング通貨に集中している。ユーロと北欧、そして円である。今週は英ポンドがロングに変わったが、ポンドは最近、ロング・ショートの入れ替わりが頻繁である。ユーロとスウェーデンは特に経済成長が堅調だ。日本経済も成長トレンドにあり、そのペースが加速している。英国はセンチメント系のデータが改善した。

ショート側の大きな変化は上述した通り、スイス・フランである。キャリー・ファクターのインプットによりスイス・フランのショートが拡大した。スイスのPMIなどのデータは悪くなかったが、他と比べて目立って改善したところもなかった。他のショート通貨は若干、サイズを縮めたが、基本観に大きな変化はない。

米国の政治がもっとも不確実材料となっており、市場の反応からすればロシアゲート疑惑の進展がその最大の要素である。共和党が支配している議会ではトランプはそのまま大統領の座にとどまるというのがわれわれのベースケースであり、いまのところドルの持続的な下落につながるような深刻な状況には至っていない。

DeepMacro

DeepMacro社は、ビッグデータ技術を利用して、自動的かつリアルタイムにグローバルなマクロ経済を観察・分析し、これを基にマーケットの分析を行う米国のリサーチ会社です。詳しくは、こちらをご覧ください。

DeepMacro FX-1 Strategy 通貨モデルの説明

概要

DeepMacro FX-1 Strategy 通貨モデルは、DeepMacro 社のグローバル・マクロ・システムに基づき、G10通貨についてシステマティックなポートフォリオ戦略を提供するものです。通貨の変動を説明する様々な要因を捉え、DeepMacro 社のリサーチ・システムの膨大なデータを、流動性が高く割安なポートフォリオに変換します。

キーファクター:

成長要因:

強い景気サイクルにある通貨を買い、弱い景気サイクルにある通貨を売ります。この判断は別のモデル体系であるDeepMacro 社の「Growth Factor」に基づきます。「Growth Factor」は主要国のビッグデータを含む経済成長に関するリアルタイム・インディケーターです。

キャリー:

高いキャリーの通貨を買い、低いキャリーの通貨を売ります。しかし、高キャリーは高リスクでもあります。したがって、リスクに見合うだけのキャリーが得られる場合のみ、このファクターによる投資判断を行います。

バリュエーション:

割安な通貨を買い、割高な通貨を売ります。経済理論では、高い生産性の伸び、高い輸出価格、大きな経常黒字の通貨は高くなることが示されています。このモデルのバリュエーション・ファクターはこれらの要因にもとづき割高・割安の判断をおこないます。

グローバル・リスク:

投資家のリスク回避姿勢が強まった時には、いわゆる「セイフ・ヘイブン(安全な寄港地)」通貨を買います。DeepMacro社では金融市場の価格に基づいて市場のリスク選好度を見積もっており、「グローバル・リスク・インディケーター(GRI)」を算出しています。GRIが点灯した場合、モデルは日本円、スイスフラン、米ドルなどへの買いを指示します。

ポジション調整:

モデルは対米ドルで9通貨のポジションを表示します。モデルは各通貨への集中度制限などリスク管理のルールを適用し、最適化を行った結果としてポートフォリオを構築します。