NYダウ: 25669.32 △110.59 (8/17)
NASDAQ: 7816.33 △9.81 (8/17)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
先週末の米国市場は米中両国が11月の首脳会議を控え貿易問題の解決に向けて協議する方針と伝わり続伸しました。一時37ドル安となるなどトルコリラの下落を受けて朝方は下落する場面が目立ったダウ平均ですがしばらくして買いが優勢になると上げ幅を広げ昼過ぎには110ドル高程度まで上昇しました。その後一旦上値が伸び悩んだダウ平均ですが取引終盤で一段高となると170ドル高近くまで買われました。引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均は結局110ドル高の25,669ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も9ポイント高の7,816ポイントとなっています。
2.経済指標等
8月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は95.3と前月から低下し市場予想も下回りました。一方で7月の米景気先行指標総合指数は前月比0.6%上昇し市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げ、そのなかでも不動産が1%近く上昇しています。
4.個別銘柄動向
米中貿易摩擦懸念の後退を受けてキャタピラー(CAT)が2%を超える上昇となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、決算で通期の業績予想を上方修正した高級百貨店ノードストローム(JWN)が目標株価の引き上げが相次いだこともあって急伸し13%以上上げました。一方で画像処理半導体大手のエヌビディア(NVDA)が8-10月期の売上高の見通しが市場予想に届かず5%近く下げたほか、半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ(AMAT)も8-10月期の売上高と1株利益の見通しが市場予想を下回ったことで7%以上下げています。電気自動車のテスラ(TSLA)は米証券取引委員会(SEC)が量産型の電気自動車「モデル3 」の生産計画を巡り投資家に誤った情報を与えたおそれがあるとして調査を始めていたと伝わったことや、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の健康状態に懸念が出たこともあって9%近く下げています。
5.為替・金利等
長期金利は変わらずの2.86%となりました。ドル円は110円台半ばで推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が上昇する一方でドル円が円高となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が一目均衡表の雲の上限(22,256円)を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)