1.概況
本日の日経平均は45円安の2万2598円と小幅に下落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数も下落しましたが新興市場のマザーズ指数は小幅に上昇しました。昨日の米国市場でダウ平均が下落したほか、ドル円がやや円高に振れたこともあり日経平均は52円安の2万2591円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に下げ幅を広げると9時38分に146円安の2万2497円と1日の安値を付けました。2万2500円の節目を割り込んだところでは買いが入り日経平均はその後持ち直すと前場を60円安で終えました。上海総合指数が堅調に推移したことが支えとなり日経平均は後場寄りからさらに下げ幅を縮めると一時は小幅なプラス圏に浮上する場面もありました。引けにかけて再びやや下げ幅を広げた日経平均は結局45円安と小幅に続落して取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆1833億円となりました。東証33業種は化学や水産・農林業、空運業などの9業種が上昇しました。一方で石油石炭製品や建設業、非鉄金属、輸送用機器などの24業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が0.4%安となったほか、燃費・排ガス検査で不正があったことで記者会見を行ったスズキ(7269)は6%の大幅安となりました。また、トヨタ自動車(7203)やSUMCO(3436)、三菱UFJ(8306)も下落しました。一方で東海カーボン(5301)や任天堂(7974)、資生堂(4911)、キーエンス(6861)、昭和電工(4004)が上昇しました。昨日大きく下げた資生堂は本日は8%近く上昇しました。第2四半期の決算が大幅な増収増益で好調だった昭和電工も9.5%の大幅高となりました。経営不振から複数企業に支援を要請していると報じられたパイオニア(6773)は支援への期待から買われ13%近く上昇しました。一方で第1四半期決算が最終赤字だった介護などを手がけるニチイ学館(9792)は20%超の大幅安となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の日本市場は引き続き方向感のあまり出ない展開となりました。米国現地9日から日米の閣僚級貿易協議(FFR)が行われます。米国が貿易面で日本に対しても強気な要求をしてくるのではと警戒されており、協議後にどのような発表が行われるか注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)