1.概況
本日の日経平均は234円安の2万2512円と反落しましたTOPIXやJPX日経400、東証2部指数も下落しましたが、新興市場のマザーズ指数は小幅に上昇しました。昨日の米国市場で主要指数が高安まちまちで支援材料になりにくく、ドル円がやや円高に振れたこともあり日経平均は69円安の2万2676円と小幅に反落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に下げ幅を縮めて一時は小幅なプラスに転じる場面がありましたが上値は重く、上海総合指数の下落が意識されると日経平均もその後は下げ幅を広げる展開となりました。前場を91円安で終えた日経平均は後場に入ると一段安となり一時は281円安まで下落しました。日経平均は引けにかけてわずかに持ち直しましたが、結局234円安で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆7678億円となりました。東証33業種はパルプ・紙を除く32業種が下落しました。中でも非鉄金属や海運、鉱業、石油石炭製品などが2%前後の大きな下げとなっています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は下げた銘柄が多くなりました。売買代金トップの任天堂(7974)が昨日の大幅高の反動もあり2%超下げたほか、三菱UFJ(8306)、キーエンス(6861)、トヨタ自動車(7203)、ソフトバンクグループ(9984)、三井住友(8316)がいずれも下げました。キーエンスは昨日発表した第1四半期決算が堅調で朝方は5%近くまで上昇しましたが、終値は20円安と小幅に下げました。その他材料が出たところでは、情報機器メーカーのコニカミノルタ(4902)が4%近い大幅高となりました。第1四半期決算が好調で、通期の営業利益予想を上方修正したことが好感されました。また、第1四半期決算が増収増益だった楽器メーカーのヤマハ(7951)も2.6%高としっかりでした。一方で時計や電子辞書などを手がけるカシオ計算機(6952)は第1四半期決算で減収に終わったことが嫌気され8%の大幅安となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
上海総合指数や香港ハンセン指数などのアジア株が大きく下げたことが嫌気され、日経平均も反落しました。引き続き貿易戦争の深刻化およびそれに伴う実体経済への悪影響懸念が相場の重荷となりそうです。明日は取引時間中の13時25分にトヨタ自動車が決算発表を行います。マーケットへの影響が大きい銘柄だけに発表結果が注目されます。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)