1.概況
本日の日経平均は192円高の2万2746円と続伸しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数も上昇しましたが新興市場のマザーズ指数は小幅に下げています。昨日の米国市場で主要指数が上昇したこと、ドル円が112円近辺まで円安に振れたことを受け日経平均は88円高の2万2642円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後も堅調に推移すると一時は上げ幅を160円近くまで広げました。前場を120円高で終えた日経平均は後場に入ると一段高となり13時58分に221円高と1日の高値をつけました。日経平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの結局192円高と1日の高値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆9652億円となりました。東証33業種は鉄鋼、非鉄金属、その他製品、銀行業、保険業などの22業種が上昇しました。一方で空運業や金属製品、その他金融業など11業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが上昇しました。昨日の決算発表で任天堂スイッチ向けソフトの好調な販売などが要因で大幅な増収増益だった任天堂(7974)が売買代金トップの商いを集めて6.4%の大幅高となりました。また、第1四半期の決算が増収増益と好調で今期の業績予想を上方修正したソニー(6758)も5%近い大幅高となっています。さらに長期金利の上昇を受け銀行株が買われてメガバンク3行が揃って2%から3%台の上昇となりました。その他にもソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、ファナック(6954)、東京エレクトロン(8035)、武田薬品(4502)がいずれも上昇しました。その他材料が出たところでは、クロネコヤマトを運営するヤマトホールディングス(9064)が5.5%高となりました。第1四半期の営業利益が前年同期の100億円の赤字から95億円の黒字に転換し、今期の業績予想を上方修正したことが好感されました。一方で第1四半期の営業利益が前年同期比9%近い減益に終わったTOTO(5332)は8%超の大幅安となりました。同じく第1四半期が営業減益だったファッションショッピングサイトのZOZO TOWNを運営するスタートトゥデイ(3092)も3.2%安と軟調でした。

【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の日本市場は日銀の金融政策決定会合を通過し一定の安心感が出たところに円安が進行したことが好感され、大型株を中心に買われました。今夜の米国市場では連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表が行われます。大きな政策変更などは行われないとみられています。また、その他にもISM製造業景況指数やADP雇用統計など重要な経済指標の発表が注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)