1.概況
本日の日経平均は401円安の2万2278円と大幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。中でもマザーズ指数は3%近い大幅安となっています。昨日の米国市場で主要指数は高安まちまちでしたが、日本時間の朝方にトランプ米大統領が「新たに2000億ドルの対中制裁関税を課す検討を指示した」と報じられて急速に円高が進んだことを受け、日経平均は114円安の2万2565円と続落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後しばらくは下げ幅を縮めるなど底堅く推移しましたが、ドル円が110円を割り込む水準まで円高に振れると下げ幅を広げて前場を197円安で終えました。日経平均は後場に入ってもさらに下げ幅を拡大し結局401円安と1日の安値で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆6675億円となりました。東証33業種は、石油石炭製品を除く32業種が下げました。中でもパルプ・紙、ガラス土石製品、空運業、化学などの下げが大きくなりました。

2.個別銘柄等
東証全体の売買代金トップに本日マザーズ市場に上場したメルカリ(4385)が入りました。公募価格3,000円に対し初値は5,000円と大きく値上がり終値でも5,300円と堅調でした。東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下落しました。売買代金トップの任天堂(7974)が2.5%安となったほか、トヨタ自動車(7203)、村田製作所(6981)、ソフトバンクグループ(9984)、東海カーボン(5301)、ファーストリテイリング(9983)がいずれも下げました。材料が出たところでは、ドラッグストアのツルハホールディングス(3391)が8%超の大幅安となりました。前期は増収増益で着地し、今期の業績予想も増収増益としましたが物足りないと受け止められたようです。また、ソフトウェア開発などを手がけるインフォテリア(3853)が20%近い大幅安となりました。今期の業績予想を大幅な前期比営業減益と発表したことが嫌気されました。同社は減益見込みの要因として2019年3月期は先行投資を実施することでコストがかさむことを挙げています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
米中貿易戦争が深刻化することへの懸念から日経平均は大幅に下落しました。本日の下落はある程度今夜の米国株の下落を織り込んだものと思われますが、米国市場の反応次第で明日の日本株の反応も大きく変わりそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)