1.概況
本日の日経平均は円安や昨日の米国市場でナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことなどで反発しました。日経平均は144円高の22,883円で寄り付くと朝方の買いが一巡するなかで上げ幅を縮め10時10分過ぎに31円高まで弱含みました。その後持ち直した日経平均は前場を89円高で終えると後場に再び57円高まで上げ幅を縮める場面もありましたが、14時頃から強含み14時半過ぎには140円高まで上昇しました。しかし、寄り付き直後に付けた前場の高値を抜くことができず結局113円高の22,851円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で、東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均はともに反発しています。

2.個別銘柄等
電子部品株に大きく上昇するものがみられました。外資系証券が目標株価を大幅に引き上げたことを好感して太陽誘電(6976)が急伸し14.1%高となったほか、目標株価と投資判断の引き上げを受けて村田製作所(6981)も7.0%高と大きく上げました。太陽誘電と村田製作所はともに年初来高値を更新しています。その一方で半導体関連株が安く、目標株価の引き下げもあって東京エレクトロン(8035)が4.9%安と大きく下げました。また、SCREENホールディングス(7735)が4.3%安、アドバンテスト(6857)が4.2%安、信越化学工業(4063)が3.2%安となっています。電子部品や半導体関連以外では、昨日と一昨日に下げがきつかった任天堂(7974)が3日ぶりに反発し1.7%高となりました。米運用大手が任天堂の株式を追加で取得していたことが判明し好感されました。さらに第1四半期の営業利益が前年同期比で22%増益となった西松屋チェーン(7545)も9.9%高と急伸しています。スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)も目標株価の引き上げを受けて6.7%高と大きく上げました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の日本市場は反発したものの、トランプ米大統領が中国の知的財産侵害に対する制裁発動に向け25%の追加関税の対象とする中国製品の最終リストを承認したと伝わったこともあって米中貿易摩擦への警戒から寄り付きをほぼ高値に上値が伸び悩みました。しかし、今週は米朝首脳会談や日米欧の金融決定会合など数多くの重要イベントを無難に通過しただけに米中貿易摩擦への懸念が後退すれば来週にも日経平均が再び節目の23,000円を試す可能性もありそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)