1.概況
本日の日本市場は先週末の米国市場が良好な米雇用統計を好感して大幅上昇となったことから大幅高となりました。193円高の22,365円で寄り付いた後上げ幅を広げる展開となった日経平均は前場こそ節目の22,500円を前に上値を押さえられましたが、後場に入ると節目の22,500円を上回り後場寄り15分後には344円高の22,515円まで買われました。22,500円を超えたところでは上値が重く22,500円台を維持できなかった日経平均ですが、その後も22,500円近辺で堅調に推移すると結局304円高の22,475円で取引を終えています。新興市場は軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに小幅下落となっています。
2.個別銘柄等
山崎製パン(2212)が急伸し13.6%高となり年初来高値を更新しました。主力製品の食パンや菓子パンなど70品目を7月1日出荷分から値上げすると発表したことで収益改善への期待が高まりました。伊藤園(2593)も6.9%高と大きく上げました。2019年4月期の営業利益が12年ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったことで買いを集めこちらも年初来高値を付けました。また、子会社の工場を2-3年後に閉鎖すると発表した半導体大手のルネサスエレクトロニクス(6723)が収益改善への期待から5.8%高となったほか、デンソー(6902)もトヨタ(7203)がデンソーにエコカー向けの電子部品事業を集約する検討を始めたと発表し収益拡大期待から4.8%高となりました。トヨタも投資判断と目標株価の引き上げが相次いだことで3.9%高となっています。一方でファナック(6954)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて軟調で0.9%安となりました。下げがきつかったのが任天堂(7974)で、先週末に4.0%安となったのに続いて本日も6.3%安と大幅続落となり、東証1部で売買代金トップとなっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日本市場は先週後半から戻り歩調となっています。日経平均は先週水曜日に下値の目処(3月26日安値から5月21日高値までの上昇幅に対する38.2%押しの22,017円)近辺まで下落した後に切り返す展開となっているだけに、このまま25日移動平均線(22,553円)を回復してくるようだと調整一巡への期待が高まりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)