1.概況
本日の日経平均は339円安の2万2018円と大幅に下落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。イタリアの政局問題を受けイタリア国債の利回りが急騰したことへの懸念などから、昨日の米国市場でダウ平均は400ドル近く下落しました。また、ドル円が108円台まで円高に振れたことも悪材料となり、日経平均は306円安の2万2051円と大幅に続落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に下げ幅を広げると2万2000円の節目を割り込み9時37分に426円安と1日の安値を付けました。その後一時は下げ幅が300円を下回るところまで持ち直す場面があった日経平均ですが再び下げ幅を広げて前場を400円安で終えました。日経平均は後場に入ると2万2000円の節目近辺でのもみ合いが続き、結局2万2018円と節目をわずかに上回って大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆7783億円となりました。東証33業種は任天堂(7974)が上昇を牽引したその他製品のみ上昇し残る32業種は下落しました。中でも非鉄金属、保険業、ガラス土石製品、鉄鋼などが大きく下げました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップの任天堂が4.3%高となったほか、ソフトバンクグループ(9984)、東海カーボン(5301)、マネックスグループ(8698)が上昇しました。任天堂はNintendo Switchやスマートフォン向け新作ソフトの「ポケモンクエスト」を発表したことが刺激となりました。一方で三菱UFJ(8306)、トヨタ自動車(7203)、東京エレクトロン(8035)、三井住友(8316)などは下落しています。その他材料が出たところでは、一部のアパートで建築基準法違反の疑いがある施工不良が見つかったと発表したレオパレス21(8848)が9%近い大幅安となりました。一方でオンラインゲーム会社のgumi(3903)は仮想通貨関連ビジネスに参入すると発表したことが材料となり、4%近く上昇しました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
イタリアの政局不安が発端となり、世界的にリスクオフムードとなっています。今期の日本企業の想定為替レートは105円程度のところが多いほか、企業によっては100円のところもあり現在の108円台の水準であれば企業業績に大きな問題は生じないとみられます。ただ、105円を割り込むような方向に一段の円高が進めば業績悪化を懸念して日本株は現在よりもさらに下落していく可能性が高そうで、今後もドル円の推移が注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)