1.概況
本日の日経平均は47円安の2万2818円と小幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数も下落しましたが東証2部指数は上昇しています。昨日の米国市場で主要指数が上昇したことを受け、日経平均は23円高の2万2889円と小幅に続伸して寄り付きました。日経平均は寄り付き直後に46円高まで上げ幅を広げましたが、そこが1日の高値になると上げ幅を縮めてマイナスに転じました。その後は昨日の終値を挟んで方向感に欠ける展開となり、前場を3円安と横ばいで終えました。日経平均は後場に入ると一貫してマイナス圏での推移が続き、結局47円安と小幅に反落して取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆7419億円となりました。東証33業種は繊維製品や銀行業、精密機器など17業種が上昇しました。一方で不動産業やサービス業など16業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。東証1部の売買代金トップは三井住友(8316)で2%を上回る上昇となりました。前期決算が増収増益で着地したほか、自社株買いを発表したことも好感されたとみられます。三菱UFJ(8306)や任天堂(7974)、みずほ(8411)、村田製作所(6981)も上昇しています。一方でマネックスグループ(8698)、武田薬品(4502)、トヨタ自動車(7203)、資生堂(4911)、東京電力(9501)は下落しました。材料が出たところでは、電気機器メーカーの日東工業(6651)が一時ストップ高となり終値でも20.3%の大幅高となりました。前期決算は13%近い営業減益で着地しましたが、今期の営業利益予想が前期比21.7%増とV字回復見込みであることが好感されました。また、自動車用品店のオートバックスや業務スーパーなどをフランチャイズ展開するG-7ホールディングス(7508)も9%超の大幅高となりました。前期決算で営業利益が11%増と堅調だったほか、今期の営業利益予想も前期比15.6%増の50億円としたことが好感されたとみられます。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は47円安と4日ぶりに反落しました。日経平均は昨日までの3日間で450円以上上昇していたことを考えると上昇一服はやむを得ないと言えそうです。本日で日本企業の決算発表が一巡します。報道によると会社予想ベースの今期の営業利益は小幅な増益を確保しそうで、ひとまず過度な業績不安が後退したことはポジティブな材料と言えるでしょう。今夜の米国市場では4月の小売売上高が発表されます。市場予想では変動の大きい自動車を除いた売上高が前月比0.5%増と堅調な結果が予想されています。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)