NYダウ: 24357.32  △94.81 (5/7)
NASDAQ: 7265.21  △55.60 (5/7)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は原油価格の上昇を背景に続伸となりました。およそ3年5カ月ぶりに70ドル台まで上昇したWTIの原油先物価格を受けて取引開始後しばらくして216ドル高まで買われたダウ平均はその後も高値圏で堅調に推移しましたが、午後にトランプ米大統領がイラン核合意に関する判断を8日の午後2時に発表するとツイートすると原油価格が急落しダウ平均も大きく上げ幅を縮める展開となりました。一時は先週末の終値近辺まで上げ幅を縮めたダウ平均ですが、引けにかけて持ち直すと結局94ドル高の24,357ドルと3日続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も55ポイント高の7,265ポイントと続伸となりました。

2.経済指標等
3月の米消費者信用残高は116億2237万ドル増に止まり市場予想を下回りました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術、資本財・サービス、金融などの7業種が上げました。一方で生活必需品、電気通信サービスなどの4業種が下げています。

4.個別銘柄動向
アナリストが強気の見方を示したことでキャタピラー(CAT)が2%を超える上昇となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。10日に決算を控える画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)も決算への期待から4%高となっています。また、米ファンドが買収提案を発表した医療機関向けクラウドサービスのアテナヘルス(ATHN)が急伸し16%を上回る上昇となり、遺伝子解析機器のイルミナ(ILMN)も投資判断の引き上げを受けて5%近く上げています。さらに原油価格の上昇を受けてエクソンモービル(XOM)も1%余り上げました。一方でシェブロン(CVX)が利益確定売りに押され小幅に下げたほか、原油価格の上昇を嫌気してアメリカン航空(AAL)も1%近く下げています。

5.為替・金利等
長期金利は変わらずの2.95%となりました。ドル円は109円近辺での推移となっています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場の上昇はプラス材料ながらドル円が109円近辺で推移していることが重石となりそうなことから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか本日もドル円の動向に神経質な展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)