NYダウ: 24664.89  ▼83.18 (4/19)
NASDAQ: 7238.06  ▼57.18 (4/19)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は長期金利の上昇や半導体関連株の下げが重石となり下落しました。36ドル安でスタートしたダウ平均は下げ渋るとしばらくしてプラスに転じ14ドル高まで買われましたが、上値が伸び悩んだことで再び下落に転じ昼過ぎには190ドル安余りまで売られました。その後引けにかけて下げ幅を縮める展開となったダウ平均ですが結局83ドル安の24,664ドルと続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も57ポイント安の7,238ポイントとなり4日ぶりの反落となりました。

2.経済指標等
4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は23.2と前月から上昇し市場予想も上回りました。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1000件減の23万2000件となりましたが、市場予想ほどは改善しませんでした。3月の米景気先行指標総合指数は前月比0.3%上昇し市場予想と一致しています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げました。そのなかでも生活必需品が3%を超える下落となったほか、不動産と情報技術、素材も1%を上回る下げとなりました。一方で金融とエネルギーが上げ、金融は1%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向
ドイツの製薬大手から消費者向けヘルスケア事業を34億ユーロで買収すると発表したプロクター・アンド・ギャンブル(PG)が財務負担を懸念した売りで3%を上回る下落となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、アップル(AAPL)も3%近く下げました。アップルに部品を供給する台湾の半導体受託生産大手のTSMC(TSM)が決算発表でスマートフォン向けの需要鈍化などを理由に売上高の伸びが予想の下限になるとの見通しを示したことが嫌気されました。TSMCも6%近く下げています。そのほかの半導体関連株にも売りが広がり通信系半導体大手のクアルコム(QCOM)が5%近く下げたほか、画像処理半導体大手のエヌビディア(NVDA)も3%余り下落しました。さらにインテル(INTC)やアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も2%を超える下げとなり、フィラデルフィア証券取引所の半導体株指数(SOX指数)は4%を超える大幅下落となっています。一方で市場予想を上回る増収増益の決算を発表したアメリカン・エキスプレス(AXP)が7%以上上昇し、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。アメリカン・エキスプレス1銘柄でダウ平均を50ドル近く押し上げています。同じく決算が市場予想を上回る増収増益となった工具の製造・販売などを手掛けるスナップオン(SNA)も6%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等
長期金利は0.04%高い2.91%となりました。ドル円は107円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株安を受けて軟調なスタートが予想されます。5日続伸となった日経平均が利益確定の売りが出やすいなかで下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)