1.概況
本日の日経平均は27円高の2万1319円と小幅に上昇しました。TOPIXやJPX日経400も小幅に上昇しましたが、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数は1%を超える下落となりました。昨日の米国市場でダウ平均が389ドル高と反発したことを受け日経平均は123円高の2万1415円と反発して寄り付きました。しかし本日の日経平均は寄り付きが1日の高値になると伸び悩みマイナス圏に沈む時間帯もありました。寄り付き後に上げ幅を縮めて10時半過ぎにマイナスに転じた日経平均は前場を19円安と小安く終えました。日経平均は後場寄り後しばらくは昨日の終値近辺で推移しましたが13時半頃からプラスに転じるとその後は小幅なプラス圏で推移しました。引けにかけてやや上げ幅を縮めた日経平均は結局27円高で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆6471億円となりました。東証33業種はゴム製品や水産・農林業、倉庫運輸関連など24業種が上昇しました。一方でガラス土石製品や電気機器など9業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は下げた銘柄が多くなりました。売買代金トップの任天堂(7974)が2.1%安となったほかソフトバンクグループ(9984)、三菱UFJ(8306)、ソニー(6758)、キーエンス(6861)、昭和電工(4004)がいずれも下落しました。中でも大手証券が投資判断と目標株価を引き下げた昭和電工は14%の大幅安となりました。一方でマネックスグループ(8698)やファーストリテイリング(9983)が堅調でした。ファーストリテイリングは3月の国内ユニクロの既存店売上高が前年同月比13%増と堅調だったことが好感され3%近く上昇しました。ファーストリテイリングは日経平均を約48円押し上げました。その他材料が出たところでは、同じく3月の既存店売上高が前年同月比8%増となった回転寿司のスシローグローバルホールディングス(3563)が5.9%高となりました。また、子ども服の販売を手掛ける西松屋チェーン(7545)も6.3%の大幅高となりました。前期決算はその前の期と比べて12.9%の営業減益で着地しましたが、今期について前期比6.3%の増収、20.8%の営業増益予想と発表しV字回復を見込んでいることが好感されました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は27円の小幅高となりました。米国株は大幅高となりましたが、日本市場は昨日の下げが小さかった分本日の上げも少なかったとみられます。やはり米国のボラティリティが落ち着かないとなかなか本格的な上昇は期待しづらいと言えそうです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)