NYダウ: 25178.61 ▼157.13 (3/12)
NASDAQ: 7588.33 △27.52 (3/12)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は貿易摩擦を警戒した売りによるボーイング(BA)やキャタピラー(CAT)などの下落が重石となり3日ぶりに反落となりましたが、ナスダック総合株価指数は業界再編への期待から半導体関連株が買われたことで7日続伸となり連日で史上最高値を更新しています。上昇して始まったダウ平均はまもなくして113ドル高まで買われましたが、その後上げ幅を縮めマイナスに転じると下げ幅を三桁に広げ取引終盤には183ドル安まで売られる場面もみられました。結局ダウ平均は157ドル安の25,178ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も3ポイント安の2,783ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は27ポイント高の7,588ポイントとなり前日に続いて史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
2月の米財政収支の赤字額は前年同月比12.1%増の2152億4800万ドルとなりましたが市場予想は下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち資本財・サービスやヘルスケア、金融などの6業種が下げ、資本財・サービスは1%を超える下落となりました。一方で不動産や公益事業、情報技術などの5業種が上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではボーイングが3%近く下げたほか、キャタピラーも2%を上回る下落となりました。また、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)も2%近く下げ、ボーイングとキャタピラー、ユナイテッド・テクノロジーズの3銘柄でダウ平均を114ドル余り押し下げています。一方でゼネラル・エレクトリック(GE)とアップル(AAPL)が1%前後の上昇となり、アップルは上場来高値を更新しています。ダウ平均構成銘柄以外では、インテル(INTC)が買収を検討していると伝わった半導体大手のブロードコム(AVGO)が3%を超える上昇となっています。目標株価の引き上げを受けて半導体のマイクロン・テクノロジー(MU)も急伸し9%近く上昇しました。昨年7月に出荷を始めた量産車「モデル3」の生産ペース加速への期待から電気自動車のテスラ(TSLA)も5%を上回る上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い2.87%となりました。ドル円は106円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場でダウ平均が三桁の下落となったことから本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均では引き続き25日移動平均線(昨日時点で21,694円)がサポートとなるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)