1.概況
本日の日経平均は101円高の2万1469円と小幅に上昇しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場で主要指数が上昇したこと、米国が鉄鋼やアルミに対して関税の引き上げを決定したもののカナダとメキシコが適用外となったことなどを受け、日経平均は226円高の2万1594円と大幅に続伸して寄り付きました。前場の日経平均はトランプ米大統領が北朝鮮の金委員長と首脳会談を行うとの報道があったことが後押しになると、寄り付き後も勢いよく上昇し10時過ぎに一時は516円高まで上げ幅を広げました。その後急速に上げ幅を縮めた日経平均は前場を186円高で終えると後場に入ってさらに上げ幅を縮めて一時は小幅なマイナスに転じる場面がありました。その後引けにかけてやや値を戻した日経平均は結局101円高で取引を終えました。東証1部の売買代金は3兆5584億円となりました。東証33業種は建設業や機械、金属製品など20業種が上昇した一方で鉄鋼や電気・ガス業など13業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は概ね上昇しました。売買代金トップの任天堂(7974)が0.3%高となったほか、ソフトバンクグループ(9984)、ファーストリテイリング(9983)、ソニー(6758)、東京エレクトロン(8035)、ファナック(6954)などが上昇しました。一方で三菱UFJ(8306)、トヨタ自動車(7203)、JT(2914)は下げています。材料が出たところでは昨日通期の決算発表を行った積水ハウス(1928)が5%近い大幅高となりました。前期決算が増収増益で着地したほか、今期の業績予想も増収増益で増配予想としたことが好感されました。また、前期決算が前期比24%近い営業増益で着地し、今期の業績予想も大幅な増収増益予想としたお墓などを取り扱ったポータルサイトを運営する鎌倉新書(6184)が19%の大幅高となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
一時は500円超まで上げ幅を広げた日経平均ですが結局は101円高と昨日に続き上値の重さが意識されやすい1日となりました。日本時間今夜22時半に米雇用統計が発表されます。特に注目されているのは平均時給の前年比上昇率で市場予想では2.8%程度とみられています。市場予想を上回る内容となれば改めて米国のインフレ加速が意識されやすく、長期金利の上昇や株安につながる可能性があり注意をはらいたいところです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)