NYダウ: 25520.96  ▼665.75 (2/2)
NASDAQ: 7240.95  ▼144.92 (2/2)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
先週末の米国市場は雇用統計を受けての金利上昇や決算を発表したシェブロン(CVX)やエクソンモービル(XOM)、アップル(AAPL)などの下げが重石となり大幅下落となりました。124ドル安でスタートしたダウ平均は一日を通して下げ幅を大きく広げると引け間際に700ドル安近くまで下落する場面もみられました。結局ダウ平均は665ドル安の25,520ドルと3日ぶりの反落となり、下げ幅はリーマン・ショック直後の2008年12月1日以来9年2カ月ぶりの大きさとなりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も144ポイント安の7,240ポイントと続落となっています。

2.経済指標等
1月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比20万人増となり市場予想を上回りました。平均時給も前年同月比2.9%増と2009年6月以来8年7カ月ぶりの高い伸びとなり市場予想を上回っています。失業率は前月から横ばいの4.1%となり市場予想と一致しました。また、1月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は95.7と速報値から上方修正され市場予想も上回りました。2017年12月の米製造業受注も前月比1.7%増となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーが4%を超える下落となったほか、情報技術も3%近く下げました。さらに素材と電気通信サービス、金融、資本財・サービスも2%を上回る下落となっています。

4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。そのなかでも決算で1株利益が市場予想を下回ったシェブロンとエクソンモービルが5%を上回る下落となったほか、ゴールドマン・サックス(GS)と1-3月期の売上高見通しが市場予想を大幅に下回ったアップルも4%を超える下落となっています。さらにビザ(V)やダウ・デュポン(DWDP)、アメリカン・エキスプレス(AXP)、インテル(INTC)も3%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、1株利益が市場予想を下回ったグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)が5%を上回る下落となっています。一方、決算で売上高が市場予想を上回り過去最高となったアマゾン・ドット・コム(AMZN)が3%近く上げています。決算が市場予想を上回ったソフトバンクグループ(9984)傘下のスプリント(S)も5%余り上げました。

5.為替・金利等
長期金利は雇用統計で賃金の伸びが市場予想を上回ったことで0.05%高い2.84%となりました。こうしたなかドル円は円安となり110円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
先週末の米国市場が大幅安となったことから本日の日本市場も大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の23,000円を割り込んで下げ幅を広げることになるのか、それとも円安などを支えに23,000円の節目で下げ渋るのかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)