1.概況
本日の日経平均は211円安の2万3274円と反落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で主要指数が高安まちまちで支援材料になりにくいなか、日経平均は124円安の2万3361円と反落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に下げ幅を広げると、10時半頃に363円安と1日の安値をつけました。前場を304円安で終えた日経平均はドル円がやや円安に戻したことが好感されてか徐々に下げ幅を縮めました。日経平均は14時頃に寄り付きの水準近くまで値を戻しましたがその後引けにかけて再び下げ幅を広げると、結局211円安で取引を終えました。東証1部の売買代金は3兆2149億円となりました。東証33業種は卸売業や電気・ガス業、海運業など7業種が上昇しました。一方で2%を超える下げとなった空運業や証券商品先物など26業種が下落しました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)が2%を超える下げとなったほか、三菱UFJ(8306)、三井住友(8316)、ソフトバンクグループ(9984)、キーエンス(6861)などが下落しました。一方で最高経営責任者(CEO)の交代が伝わったソニー(6758)が2%近く上げたほか、トヨタ自動車(7203)、神戸製鋼(5406)、三井物産(8031)が上昇しました。神戸製鋼は昨日第3四半期の決算発表と同時にこれまで未定としていた今期の純利益予想を450億円の黒字と発表したことで業績の不透明感が後退し、6%近い大幅高となりました。また、三井物産は本日の14時に増配および自社株買いを発表したことで買われて4%超上昇しました。材料が出たところでは、今期の営業利益予想を従来の100億円から200億円に倍増させたリコー(7752)が11%超上昇しました。一方で10-12月の営業利益が前年同期比45%減と冴えなかったコニカミノルタ(4902)は7%安と大きく下落しました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
昨日大きく反発した日経平均ですが、本日は反落となりました。ドル円は109円台後半まで円安に戻している中での下落で、やや意外な値動きでした。本日の日本時間22時半に米雇用統計が発表されます。3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが実施されるかどうかの重要な判断材料になるとみられ、内容が注目されます。また、来週は日本企業の決算発表がピークを迎えます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)