1.概況
本日の日本市場は下落しました。米国市場の大幅安を受けて86円安の23,205円でスタートした日経平均は下げ渋ると持ち直し小幅なプラスに転じる場面もありましたが、プラス圏では上値が重く前場は24円安で取引を終えました。12円高とプラスでスタートした後場は一時83円高まで買われるなどしばらくプラス圏で推移しましたが、徐々に上げ幅を縮めると14時過ぎに再びマイナスに転じ下げ幅を広げました。引けにかけて一段安となった日経平均は結局193円安の23,098円と本日の安値圏で取引を終え6日続落となっています。こうしたなか新興市場も軟調で、東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が3日続落となっています。

2.個別銘柄等
決算発表が本格化するなか決算発表に大きく反応する銘柄が多くみられました。そのなかで上げが目立ったのが半導体製造装置のアドバンテスト(6857)で5.7%高となりました。第3四半期に一過性の費用である棚卸評価損33億円を計上しながらも通期の営業利益の見通しを180億円から市場予想を小幅に上回る200億円へと上方修正したことが好感されました。一方で通期の業績予想を据え置いた半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)が4.7%安と下げています。中間決算で大幅な上方修正に踏み切ったことで今期2度目の上方修正への期待が高まっていたこともあって失望となったようです。そのほかにも業績予想を据え置いた銘柄に大きく下げるものがみられ、九電工(1959)や野村不動産ホールディングス(3231)、野村総合研究所(4307)、オムロン(6645)、エイチ・ツー・オー リテイリング(8242)などが大幅安となり、なかでも九電工は11.5%安と急落しています。アドバンテストのほかに上方修正で大きく上げたのが日本M&Aセンター(2127)やヤマトホールディングス(9064)などで、日本M&Aセンターが4.7%高、ヤマトホールディングスが6.0%高と急伸しています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は6日続落となり、この6日間での下げ幅は1,000円を超えました。このように日経平均が調整色を強めるなかで決算発表が本格化しています。中間決算時のように上方修正が相次ぎ、EPS(1株利益)の上昇で株価に一段と割安感が出て今後、日経平均が水準を切り上げる展開となるのかが注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)