1.概況
本日の日経平均は2円安の2万3629円とほぼ横ばいでした。TOPIXは1ポイント高、JPX日経400は1ポイント未満の下落とどちらもほぼ横ばいで、東証2部指数は0.2%高、新興市場のマザーズ指数は1.3%安と主要指数は高安まちまちでした。米国市場で先週末の主要指数が3指数揃って史上最高値を更新したことを受け、日経平均は75円高と上昇して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に上げ幅を広げるとその後も高値圏で推移し、前場を117円高で終えました。前場は堅調だった日経平均ですが、やはり108円台の円高水準と今後の不透明感から買いが続きにくいようで後場寄りから上げ幅を縮めるとまもなくマイナスに転じて一時は下げ幅を50円以上まで広げる場面がありました。その後日経平均は再びプラス圏まで値を戻しましたが前日終値近辺での推移が続き、結局2円安とほぼ横ばいで取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆5939億円となりました。東証33業種は2%を超える上昇となった石油石炭製品など17業種が上昇しました。一方で建設業やパルプ・紙など16業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。任天堂(7974)が小幅安となったほか、三井住友(8316)やソフトバンクグループ(9984)、キーエンス(6861)、コマツ(6301)などが下げています。一方でファナック(6954)、三菱UFJ(8306)、信越化学工業(4063)、トヨタ自動車(7203)が上昇しました。中でも先週末に第3四半期の決算発表とともに今期の業績予想を上方修正した信越化学工業は5%近い大幅高となりました。その他材料が出たところでは、第3四半期決算が好調だった医療従事者向け情報サイトなどを手掛けるエムスリー(2413)が8%の大幅高で上場来高値を更新しました。一方で10-12月の営業利益が前年同期比3.7%減と冴えなかったサカイ引越センター(9039)は6%安となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
上昇して始まった日経平均ですが、円高が重荷となりほぼ横ばいで取引を終えました。今週は本格化する日本企業の決算発表が材料となるほか、米国で連邦公開市場委員会(FOMC)の結果や雇用統計の発表が行われます。足元の円高進行がマーケットのセンチメントをやや悪化させているとみられるためこれらの米国の重要イベントや経済指標にドル円がどのように反応するかが注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)