1.概況
本日の日本市場はクリスマスを控えて海外投資家などの動きも鈍く小動きで方向感に欠ける展開となりました。昨日の米国市場が小幅な上昇に止まるなど外部環境に大きな動きがみられなかったことから15円安の22,850円で寄り付いた日経平均はまもなくして64円安まで売られましたが、22,800円を前に下げ渋ると切り返し、その後は昨日終値近辺で小幅に揉み合う展開が続きました。プラス圏で推移する時間帯も比較的多かった日経平均ですが高値は42円高と上値も重く結局36円高の22,902円と小幅に反発して取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が反発した一方で、日経ジャスダック平均は7日ぶりの反落となっています。

2.個別銘柄等
海運大手がしっかりでした。海運大手3社が2018年4月にコンテナ船事業を統合するのに伴い初年度の2019年3月期に3社合計で500億円のコスト削減効果が出る見通しと伝わったことが好感されました。日本郵船(9101)が3.3%高、商船三井(9104)が1.4%高、川崎汽船(9107)が0.8%高となっています。また、原油など国際商品相場の上昇で石油関連や非鉄、商社株に買いが入り国際石油開発帝石(1605)が2.8%高、住友金属鉱山(5713)も5.0%高となったほか、伊藤忠商事(8001)や丸紅(8002)、三井物産(8031)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)といった大手商社もそれぞれ1%-2%程度上昇しました。一方で薬品株に急落するものがみられました。バイオ製薬の米バイオジェン(BIIB)と共同開発中のアルツハイマー治療薬の臨床試験について現時点で有効な結果が出ていないと発表したエーザイ(4523)が14.8%安となり、参天製薬(4536)もぶどう膜炎の治療薬について米食品医薬品局(FDA)から承認には有効性を示す追加データが必要であると指摘されたと発表したことで8.0%安となっています。半導体関連も昨日の米国市場で米フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が大きく下落したことを受けて売られるものが目立ちました。東京エレクトロン(8035)が2.3%安、SCREENホールディングス(7735)が2.4%安、アドバンテスト(6857)が1.6%安、SUMCO(3436)も2.4%安となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
年内の取引も残すところ5営業日のみとなりました。日経平均は18日に350円近い大幅高となった後、11日に付けた年初来高値(22,938円)や節目の23,000円を前に上値の重い展開が続いていますが、ここ10年でみると大納会までの5営業日間の日経平均は10回中7回が上昇となっていることもあり、今年も掉尾(とうび)の一振で年初来高値を更新して年内の取引を終えたいものです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)