NYダウ: 24726.65 ▼28.10 (12/20)
NASDAQ: 6960.96 ▼2.89 (12/20)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は米上下両院での税制改革法案可決を受けて材料出尽くしとなり小幅に続落となりました。米上院での米税制改革法案可決を受けて取引開始直後に100ドル高近くまで買われたダウ平均ですが、利益確定の売りが出て上げ幅を縮めるとマイナスに転じその後は前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開がしばらく続きました。米下院での税制改革法案可決を受けて取引終盤に売りが優勢となったダウ平均は結局28ドル安の24,726ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も2ポイント安の6,960ポイントとなっています。
2.経済指標等
11月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比5.6%増の581万戸と市場予想を上回り2006年12月以来約11年ぶりの高水準となりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産や公益事業、生活必需品などの7業種が下げ、不動産は1%余りの下落となっています。一方でエネルギーや電気通信サービスなどの4業種が上げ、エネルギーは1%を超える上昇となりました。
4.個別銘柄動向
決算が市場予想を上回る大幅な増収増益となった半導体大手のマイクロン・テクノロジー(MU)が4%高となったほか、決算が市場予想ほど悪化しなかったカナダのソフト開発会社のブラックベリー(BB)も11%を超える上昇となっています。また、決算が市場予想を上回る増収増益となり2018年5月期通期の見通しも引き上げた物流大手のフェデックス(FDX)が3%を上回る上昇となり、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコが一部資産の買収などで交渉に入ったと伝わった液化天然ガス開発のテルリアン(TELL)も3%近く上げています。一方、決算で売上高が市場予想並みにとどまったオンライン衣料販売のスティッチフィックス(SFIX)が10%近く下げています。顧客が体調を崩したとの訴えを受けてロサンゼルスの当局が調査に乗り出したと伝わった外食のチポトレ・メキシカン・グリル(CMG)も4%を超える下落となりました。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%高い2.49%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ113円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が小幅に下げる一方で、ドル円が円安となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか昼ごろに発表される日銀の金融政策決定会合の結果が注目されますが、今回は金融政策に変更はないとみられています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)