1.概況
本日の日経平均は33円安の2万2868円と小幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400も下落した一方で、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数は上昇しました。昨日の米国市場で主要指数が史上最高値を更新したことを受け、日経平均は59円高の2万2961円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に88円高の2万2990円まで上昇しましたが2万3000円の節目を前に値を戻されると上値の重さが意識され、その後は上げ幅を縮めました。10時頃に一時マイナスに転じた日経平均は昨日の終値を挟んだ推移となり、前場を9円高で終えました。後場寄りから再びマイナスに転じた日経平均は狭い値幅での小動きとなり、結局33円安と小幅に反落して取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆3912億円となりました。東証33業種はゴム製品や証券商品先物、輸送用機器などの10業種が上昇しました。一方で23業種が下落し、中でも建設業、海運業、陸運業の3業種は1%を超える下げとなりました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位は下げた銘柄が多くなりました。売買代金トップの任天堂(7974)、三菱UFJ(8306)、KDDI(9433)、ソフトバンクグループ(9984)、SUMCO(3436)、東京エレクトロン(8035)などがいずれも下げています。KDDIは本日も1%を超える下げとなり、楽天(4755)の携帯事業参入が発表されて以降4日続落となりました。材料が出たところでは、マザーズ上場のサイバーダイン(7779)が10%近い大幅高で年初来高値を更新しました。ロボットスーツ「HAL」が米国食品医薬品局(FDA)から医療機器として市販承認を取得したことが好感されました。また、アミューズメント施設を運営するラウンドワン(4680)も7.7%の大幅高となりました。大手証券が投資判断と目標株価を大幅に引き上げたことが好感されました。一方で昨日に続きゼネコン大手各社が大幅安となり、大成建設(1801)が6.3%安、鹿島建設(1812)が5.2%安となっています。談合疑惑に伴い外資系証券が投資判断を引き下げたことが嫌気されたとみられます。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は2万3000円の節目を突破できず反落しました。やはり1つの壁として意識されていくことになりそうです。明日以降も大きく値を下げずに節目突破にトライできるか注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)