1.概況
本日の日経平均は63円安の2万2694円と3日続落となりました。TOPIXやJPX日経400も下落しましたが、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数は上昇しました。昨日の米国市場で米連邦公開市場委員会(FOMC)は大きな波乱なく通過したものの、主要指数が高安まちまちだったこともあり日経平均は58円安の2万2699円と小安く寄り付きました。日経平均は寄り付き後に下げ幅を縮めるとプラスに転じると一時は30円高近くまで上昇しました。しかし上値は重く再びマイナスに転じた日経平均は、その後は小幅なマイナス圏で推移しました。前場を31円安で終えた日経平均は後場寄り後一時プラスとなる場面もあったもののその後はマイナス圏での推移となりました。取引終盤に一時は120円安近くまで下げ幅を広げた日経平均は引けにかけてやや値を戻し、結局63円安で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆6593億円となりました。東証33業種はパルプ・紙、石油石炭製品、金属製品など20業種が上昇しました。一方で保険業や銀行業、情報・通信業など13業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位は下げた銘柄が多くなりました。売買代金トップの昨日上場した佐川急便の持株会社であるSGホールディングス(9143)は14%近い大幅高となりましたが、任天堂(7974)、三菱UFJ(8306)、ソフトバンクグループ(9984)、三井住友(8316)、楽天(4755)、みずほ(8411)がいずれも下げています。昨日まで連日上昇していたメガバンク株も本日は売られました。また、携帯電話事業に参入すると発表した楽天は5%近く下げています。その他材料が出たところでは、回転寿司を展開するくらコーポレーション(2695)が12%超の大幅高となりました。昨日発表した前期決算が従来の会社予想を上振れて着地したことが好感されました。大手証券は決算を受けくらコーポレーションの目標株価を引き上げています。また、ステーキチェーンのペッパーフードサービス(3053)は本日の13時半に東証1部上場の記念配当を実施すると発表したことが好感され、発表後に上げ幅を広げて3.7%高となりました。一方で広島高裁が伊方原発3号機の運転差し止めを認めたことで昨日大幅安となった四国電力(9507)は本日も7.4%の大幅安となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は一時は120円近く下げながら終値では63円安と底堅さを示しました。2万3000円の節目を突破し高値を窺うには材料不足の一方で、日本企業の業績は好調で下値は限定的のため、結果的に2万2500円前後のボックス相場の様相を呈しています。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)