NYダウ: 24504.80  △118.77 (12/12)
NASDAQ: 6862.32  ▼12.76 (12/12)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ゴールドマン・サックス(GS)やボーイング(BA)などの上昇を受けてダウ平均とS&P500株価指数は続伸となり連日で史上最高値を更新したものの、ハイテク株が軟調となったことでナスダック総合株価指数は反落となりました。66ドル高でスタートし昼過ぎに166ドル高まで上げ幅を広げその後も高値圏で堅調に推移したダウ平均は、引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの結局118ドル高の24,504ドルと4日続伸となり、3日連続で史上最高値を更新しています。また、S&P500株価指数も4ポイント高の2,664ポイントと4日続伸となり、こちらも3日連続で史上最高値を更新しています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は12ポイント安の6,862ポイントと5日ぶりの反落となっています。

2.経済指標等
11月の米卸売物価指数(PPI)は前年同月比3.1%上昇し2012年1月以来5年10カ月ぶりの高い伸びとなり市場予想も上回りました。また、11月の米財政収支は1390億ドルの赤字となり市場予想を上回る赤字となっています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち電気通信サービスや金融、不動産などの7業種が上げ、電気通信サービスが3%近く上昇したほか、金融も1%高となりました。一方で公益事業やエネルギーなどの4業種が下げ、公益事業は2%近く下落しています。

4.個別銘柄動向
高い伸びとなった米卸売物価指数を受けての金利上昇を好感しゴールドマン・サックスが3%高となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、増配と自社株買いを発表したボーイングは目標株価の引き上げもあって2%を超える上昇となり上場来高値を更新しました。ゴールドマン・サックスとボーイングの2銘柄でダウ平均を100ドル近く押し上げています。さらに21世紀フォックス(FOXA)の一部事業の買収を断念したと発表したCATV大手のコムキャスト(CMCSA)も買収に伴う財務負担への懸念が後退し3%近く上げています。一方で米証券取引委員会(SEC)に提出した資料で2017年12月期の減収幅が拡大し利益率も悪化する見通しを示した玩具のマテル(MAT)が5%近く下げています。

5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い2.40%となりました。ドル円は113円台半ばで推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が高安まちまちとなったことから本日の日本市場も小動きでのスタートが予想されます。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え様子見となりやすいなかで日経平均が11日に付けた年初来高値(22,938円)を試すような展開をみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)