1.概況
本日の日経平均は72円安の2万2866円と4日ぶりに反落しました。一方でTOPIXやJPX日経400、東証2部指数、マザーズ指数は上昇と日経平均以外の主要指数は上昇しました。昨日の米国市場でダウ平均が史上最高値を更新するなど堅調だった一方で、日経平均は昨日までの3日間で760円以上上昇しており利益確定売りが出やすかったことから、日経平均は2円安の2万2936円と小動きで寄り付きました。日経平均は9時半頃にプラスに転じると一時は55円高の2万2994円と2万3000円の節目に近づく場面がありました。ただその水準で上値を押さえられると上げ幅を縮めてその後は昨日の終値近辺での推移となりました。前場を5円高で終えた日経平均は後場に入るとほぼ一貫してマイナス圏での推移となりました。一時は下げ幅が100円を超す場面もあった日経平均は引けにかけてやや下げ幅を縮めたものの、72円安と反落して取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆5106億円と昨日からやや増加しました。東証33業種は20業種が上昇、13業種が下落しました。鉱業が3%超上げたほか、石油石炭製品と銀行業も2%超上昇しています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップには三菱UFJ(8306)が入り2%超上昇して年初来高値を更新しました。三井住友(8316)、みずほ(8411)もそれぞれ堅調でした。その他の売買代金上位銘柄は任天堂(7974)、ソニー(6758)、ソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、オリンパス(7733)など下げた銘柄が多くなりました。メガバンク以外の銀行株は堅調でした。りそなホールディングス(8308)が4%近く上げたほか、ゆうちょ銀行(7182)、あおぞら(8304)、コンコルディア・フィナンシャルグループ(7186)などもしっかりでした。昨日までに昨年末からTOPIXが20%近く上昇しているのに対し、銀行業指数は4%程度の上昇にとどまるなど銀行株が出遅れていたところに、先週末に国際金融規制改革の最終合意が行われたことが見直し買いのきっかけになっているのかもしれません。また、原油高の流れを受けてか国際帝石(1605)、住石HD(1514)、石油資源開発(1662)がそれぞれ3%前後上昇しました。材料が出たところでは、昨日発表した第1四半期の業績が好調で通期の業績予想を上方修正した化粧品のシーズ・ホールディングス(4924)がストップ高となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は下落したもののTOPIXは上昇とまちまちでした。出遅れていた銀行株に資金が回り始めるなど好循環が働いているようです。明日以降も日経平均が2万3000円の節目を突破できるかどうか、というところが意識されそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)