1.概況
本日の日経平均は127円高の2万2724円と続伸しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数も上昇しましたが、東証2部指数は小幅に下げています。昨日の米国市場でダウ平均が史上最高値を更新した一方でナスダック指数は大幅下落と高安まちまちだったことから、日経平均は4円高の2万2601円と小動きで寄り付きました。日経平均はすぐにマイナスに転じると一時は94円安の2万2502円まで下げましたが、2万2500円の節目を割り込まずに踏みとどまると徐々に下げ幅を縮めました。その後プラスとなる場面もありましたが前場を21円安と小安く終えた日経平均は後場入り後に再度プラスに転じると14時ごろから急速に上げ幅を広げました。結局日経平均は127円高と本日の高値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は本日が月の最終営業日だった影響もあり4兆5393億円まで膨らみました。東証33業種は海運業や証券商品先物、陸運業や鉄鋼など26業種が上昇しました。一方で電気機器やその他製品、機械など7業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は下落した銘柄が多くなりました。売買代金トップの任天堂(7974)が2%強下げたほか、ソフトバンクグループ(9984)が3.3%安、東京エレクトロン(8035)が1.1%安となり、ソニー(6758)、キーエンス(6861)、ダイフク(6383)、などがいずれも下げています。一方で金融株高の流れは続き三菱UFJ(8306)、三井住友(8316)、みずほ(8411)のメガバンク3行は上昇しました。材料が出たところでは、新日鐵住金(5401)が4%高としっかりでした。大手証券が投資判断と目標株価を引き上げたことが好感されました。また、自社株買いを発表した日清紡ホールディングス(3105)は13%超の大幅高となっています。一方で不動産の自己勘定投資などを手がけるファーストブラザーズ(3454)は平成29年11月期の営業利益予想を下方修正したことが嫌気され、10%近い大幅安となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
下げる場面もあった日経平均は127円高と終わってみれば堅調な展開でした。11月の日経平均は前月末から713円の上昇となり、上昇は3ヶ月連続です。明日から12月相場入りとなりますが、毎年年末にかけて株高になりやすいアノマリーである「掉尾の一振」に今年も期待したいところです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)