NYダウ: 23940.68  △103.97 (11/29)
NASDAQ: 6824.39  ▼87.97 (11/29)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。金融株や小売株などの上昇を受けてダウ平均は続伸し史上最高値を更新したものの、ハイテク株に売りが出たことでS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は反落となっています。46ドル高でスタートしたダウ平均はしばらくして123ドル高まで上げ幅を広げた後昼ごろに一旦40ドル高程度まで弱含む場面もありましたが、午後に持ち直すと103ドル高の23,940ドルと4日続伸となり、前日に続いて史上最高値を更新して取引を終えています。一方でS&P500株価指数が0.9ポイント安の2,626ポイントと反落したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も87ポイント安の6,824ポイントと1%を超える大幅下落となっています。

2.経済指標等
7-9月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は年率換算で前期比3.3%増と速報値の3.0%増から上方修正され市場予想も上回りました。また、10月の中古住宅販売仮契約指数も前月比3.5%上昇の109.3となり市場予想を上回っています。米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備理事会(FRB)は、米経済活動は緩やかなペースでの拡大が続き、インフレ圧力が強まったとしています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち電気通信サービスや金融、資本財・サービスなどの9業種が上げ、電気通信サービスが3%近く上昇したほか、金融も2%近く上げています。一方で情報技術と不動産の2業種が下げ、情報技術は2%を超える下落となっています

4.個別銘柄動向
金利上昇を受けてJPモルガン・チェース(JPM)やバンク・オブ・アメリカ(BAC)が2%を超える上昇となり、ゴールドマン・サックス(GS)も1%を上回る上昇となっています。小売り株にも大きく上昇するものがみられ、ディスカウントストアのターゲット(TGT)が9%近く上げたほか、百貨店のメーシーズ(M)も8%余りの上昇となっています。一方で割高との指摘を受けてハイテク株に大きく下落するものが目立ちました。半導体製造装置大手のアプライド・マテリアルズ(AMAT)が8%近く下げたうえ、画像処理半導体大手のエヌビディア(NVDA)も7%近く下げました。また、ネットフリックス(NFLX)は5%を超える下落となり、フェイスブック(FB)が4%近く、アマゾン・ドット・コム(AMZN)も3%近く下げています。アップル(AAPL)やグーグルの持ち株会社アルファベット(GOOGL)も2%を超す下げとなっています。

5.為替・金利等
長期金利は0.07%高い2.39%となりました。こうしたなかドル円は円安となり112円近辺で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場でダウ平均が史上最高値を更新したほか、ドル円も円安となっていることから本日の日本市場は堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が9日の高値と16日の安値の半値戻しの水準(22,677円)を超えてくるような展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)