1.概況
本日の日経平均は110円高の2万2597円と反発しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。朝方に北朝鮮がミサイルを発射しましたがマーケットへの影響は限定的で、昨日の米国市場で主要指数が史上最高値を更新したことを受け、日経平均は127円高の2万2613円と反発して寄り付きました。日経平均はまもなく上げ幅を150円超まで広げましたがその水準が1日の高値になるとその後は上げ幅を縮めました。前場を90円高で終えた日経平均は後場に入ってさらに上げ幅を縮めると一時は50円高となる場面がありました。その後引けにかけて値を戻し結局110円高で大引を迎えました。東証1部の売買代金は2兆8683億円となりました。東証33業種は鉄鋼や保険業、パルプ・紙、その他金融業など30業種が上げました。一方で電気機器、その他製品、石油石炭製品の3業種は小幅に下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)が1.8%安となったほか、半導体関連銘柄への売りが続き東京エレクトロン(8035)が5.8%安、SUMCO(3436)が1.6%安などとなりました。一方で昨日の米国市場で金融株が買われた流れを受け銀行株が買われ、三菱UFJ(8306)、三井住友(8316)、みずほ(8411)がそれぞれ上昇しました。材料が出たところでは、ヤマハ(7951)が5.2%高と堅調でした。保有するヤマハ発動機(7272)の株式の一部を売却し特別利益を計上することや自社株買いを行うと発表したことが好感されました。また、大手証券が投資判断と目標株価を引き上げた住友商事(8053)も3.8%高となっています。一方で半導体商社の菱洋エレクトロ(8068)は昨日発表した第3四半期の業績が冴えなかったことが嫌気され8%超の大幅安となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は米国株高を受け反発しました。既にマーケットは北朝鮮のミサイル発射をあまり材料視しなくなってきているようです。今夜の米国市場では7ー9月期の米GDP改定値、米地区連銀経済報告(ベージュブック)の発表が行われます。既に12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが行われることはマーケットのコンセンサスとなっていますが、これらの指標は来年以降の利上げペースに影響を与えるとみられ注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)