NYダウ: 23458.36 △187.08 (11/16)
NASDAQ: 6793.29 △87.08 (11/16)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はウォルマート・ストアーズ(WMT)などの好決算を好感して3日ぶりに反発しました。94ドル高と上昇して始まったダウ平均は、その後上げ幅を広げると取引終盤には220ドル高まで買われました。引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局187ドル高の23,458ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も87ポイント高の6,793ポイントとなり、8日に付けた史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
10月の米鉱工業生産は前月比0.9%上昇し市場予想を上回りました。10月の米設備稼働率も前月から0.6ポイント上昇の77.0%となり市場予想を上回っています。11月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も70となり市場予想を上回りました。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万件増の24万9000件となり改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しました。11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数も22.7と前月から低下し市場予想を下回っています。10月の米輸入物価指数も前月比0.2%上昇に止まり市場予想を下回っています。米輸出物価指数も前月比変わらずとなり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、電気通信サービスと生活必需品、情報技術、素材、ヘルスケアが1%を超える上昇となっています。一方でエネルギーと公益事業が下げています。
4.個別銘柄動向
市場予想を上回る決算を発表したウォルマート・ストアーズが11%近く上げ上場来高値を更新し、ダウ平均を1銘柄で70ドル近く押し上げています。また、同じく市場予想を上回る決算を発表したシスコシステムズ(CSCO)も5%を上回る上昇となっています。一方でトラベラーズ(TRV)が2%を超える下落となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。ダウ平均構成銘柄以外では、売掛債権の売却を発表し手元資金の増加で自社株買いなどの株主還元策が拡充されるとの期待が高まった決済大手のペイパル・ホールディングス(PYPL)が6%近く上げ上場来高値を更新したほか、決算が市場予想を上回ったストレージ大手のネットアップ(NTAP)も16%近く上昇し急伸しました。決算で売上高が市場予想を下回った家電量販店のベストバイ(BBY)や、決算で1株利益が市場予想に届かなかったメディア大手のバイアコム(VIAB)はともに3%を超える下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.05%高い2.37%となりました。ドル円は113円近辺で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の22,500円を超えてどこまで上値をのばせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)