米国市場はエネルギーや素材関連に売りが出て小幅に下落 日本市場は米国株安で軟調なスタートか

NYダウ: 23409.47  ▼30.23 (11/14)
NASDAQ: 6737.87  ▼19.72 (11/14)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は低調だった中国の経済指標を受けてエネルギーや素材関連に売りが出たことや、税制改革の先行き不透明感が引き続き相場の重石となり小幅に下落しました。51ドル安と下落して始まったダウ平均は下げ幅を広げ170ドル安近くまで売られましたが、急速に持ち直し下げ幅を二桁に縮めると午後は小幅安で推移しました。結局ダウ平均は30ドル安の23,409ドルと反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も19ポイント安の6,737ポイントと3日ぶりに反落となりました。

2.経済指標等
10月の米卸売物価指数(PPI)は前年同月比2.8%上昇し市場予想も上回りました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、エネルギーと電気通信サービス、素材が1%を超える下落となっています。一方で公益事業と生活必需品、一般消費財・サービスが上げ、公益事業は1%を上回る上昇となっています。

4.個別銘柄動向
10-12月期の配当を7-9月期から半減させると発表したことで前日に7%を超える下落となったゼネラル・エレクトリック(GE)は売りが止まらず6%近い下げとなりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。一方で18年1月期通期の売上高と1株利益の見通しを上方修正したホーム・デポ(HD)が2%近く上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。また、投資判断の引き上げを受けてコカ・コーラ(KO)も1%を上回る上昇となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、2019年1月期通期の1株利益が今期予想に比べ大幅に減少する見通しを示したスポーツ用品販売大手のディックス・スポーティング・グッズ(DKS)が3%近く下げています。決算で1株利益が市場予想を上回った自動車用品店のアドバンス・オート・パーツ(AAP)は16%近く上げ急伸しています。

5.為替・金利等
長期金利は0.03%低い2.37%となりました。ドル円は113円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安を受けて本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。こうしたなか本日は取引開始前の8時50分に7-9月期のGDPが発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)