1.概況
本日の日経平均は9円高の2万2548円と小幅に続伸しました。JPX日経400も小幅に上昇しましたが、TOPIXや東証2部指数、新興市場のマザーズ指数は下落と主要指数は高安まちまちでした。米国市場で主要指数が揃って史上最高値を更新したことを受け、日経平均は73円高と続伸して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に上げ幅を12円高まで縮めた後に再び上げ幅を広げて一時は上げ幅が100円を上回る時間帯もありました。しかし、高値警戒感から徐々に売りに押されると一時マイナスに転じる場面もあるなど前場を2円高とほぼ横ばいで終えました。後場寄り後しばらくは先週末の終値近辺で推移した日経平均ですが、まもなく下げ幅を100円超まで広げて1日の安値をつけました。その後引けにかけて持ち直した日経平均は結局9円高で取引を終えました。東証1部の売買代金は3兆3497億円と6営業日連続で3兆円を上回っています。東証33業種は卸売業や海運業、鉱業といった15業種が上昇しました。一方で非鉄金属やパルプ・紙、銀行業など18業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップのソニー(6758)は3%超の大幅高で7日続伸となり連日で年初来高値を更新しています。売買代金2位の神戸製鋼所(5406)や6位のトヨタ自動車(7203)もそれぞれ小幅に上昇しました。一方でソフトバンクグループ(9984)、任天堂(7974)、三菱UFJ(8306)、SUBARU(7270)、三井住友(8316)などがそれぞれ下げています。売買代金9位に入った電線大手の古河電工(5801)は16%近い大幅安となりました。先週末に決算を発表しましたが、通期の利益予想が据え置いたことで失望売りが広がったようです。その他材料が出たところでは、酒類・飲料メーカーのアサヒグループホールディングス(2502)が3%近く上昇しました。先週末に発表した第3四半期決算で、7-9月の3ヶ月の売上高が前年同期比30%増、営業利益が47%増と堅調な業績が好感されました。一方で営業放送システムの減損損失を計上した日本テレビホールディングス(9404)は1%安と冴えませんでした。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均の1日の高値は105円高、安値は103円安と上下に比較的大きな値動きの出た1日となりました。今週は日本企業の決算発表が佳境をむかえるほか、現在トランプ米大統領がアジア諸国歴訪中とあって北朝鮮による軍事的挑発が行われないかなどが注目材料となりそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)