1.概況
本日の日経平均は408円高の2万2420円と大幅に上昇しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日米国株が上昇したこと、昨日の大引け後に発表されたソニー(6758)や東京エレクトロン(8035)の決算がポジティブ・サプライズとなったことも好感されて、日経平均は133円高の2万2144円で寄り付きました。本日の日経平均はほぼ1日を通して右肩上がりの上昇となりました。買いが買いを呼ぶような展開となり日経平均は寄り付き後もほとんど押し目を作らずに上昇すると、前場を313円の大幅高で終えました。日経平均は後場入り後しばらくするとさらに一段高となり、引けにかけても上げ幅を広げる展開となりました。日経平均は結局400円を超す大幅上昇で1日の高値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は3兆7557億円と連日で3兆円を超す大商いとなっています。東証33業種はすべての業種が上昇しました。中でも石油石炭製品が3%超上昇したほか、空運業、電気機器、パルプ・紙、鉱業、電気・ガス業が2%台の上昇となりました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は概ね上昇しました。売買代金トップにはソニーが入り、11%超の大幅高で年初来高値を更新しました。中間決算で売上高が前年同期比18.7%増の3兆9206億円となったほか、営業利益は前年同期比3倍以上の3618億円と業績が好調でした。さらに通期の売上高予想を従来の8兆3000億円から8兆5000億円に、営業利益予想を5000億円から6300億円に引き上げたことがポジティブ・サプライズとなりました。今期のソニーの営業利益は過去最高を更新する見通しとなっています。その他にも神戸製鋼所(5406)、東京エレクトロン、三菱UFJ(8306)、ソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、パナソニック(6758)、みずほ(8411)などがそれぞれ上昇しました。中でも東京エレクトロンは通期の売上高予想を9800億円から1兆1300億円に、営業利益予想を2160億円から2710億円にそれぞれ大きく引き上げたことで13%超の大幅高となりました。一方で売買代金2位の任天堂(7974)が1%近く下げたほか、業績予想を下方修正した村田製作所(6981)は7%近い大幅安となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日本が世界に誇ってきたトップブランドであるソニーのポジティブ・サプライズ決算が呼び水となり、日経平均は大幅高となりました。日経平均の25日移動平均乖離率は6%近くまで上昇しており、短期的には過熱感が出ています。日本企業の好業績が株価上昇の根本的な理由であることから大幅な下落は考えづらいかもしれませんが、短期的な調整には注意したいところです。今夜の米国市場ではISM製造業指数やADP雇用統計といった重要経済指標が発表されるほか、連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表が予定されています。利上げが行われるとしても12月の会合である可能性が高く今回の会合では政策の現状維持が決定されるとみられますが、発表される声明文の内容が注目されます。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)