1.概況
本日の日経平均は3円高の2万2011円と小幅に続伸しました。東証2部指数や新興市場のマザーズ指数も上昇した一方で、TOPIXやJPX日経400は小幅安と主要指数は高安まちまちでした。先週末の米国市場でナスダック総合指数が大幅高となったことなどを受け日経平均は39円高の2万2047円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に80円高近くまで上げ幅を広げましたが、高値警戒感からその後は伸び悩み10時半過ぎから急速に上げ幅を縮めるとマイナスに転じ一時は87円安まで売られました。その後持ち直し18円安で前場を終えた日経平均は後場に入ると先週末の終値を挟んだもみ合いとなりました。結局日経平均は3円高の2万2011円と2万2000円の節目を保って小幅高で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は4兆円を上回る大商いとなっています。東証33業種は1%を超える上昇となったパルプ・紙やガラス土石製品など15業種が上昇しました。一方で精密機器や医薬品、証券商品先物など18業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は売買代金トップの三菱UFJ(8306)、2位の任天堂(7974)はそれぞれ下げたもののその他の銘柄は概ね上昇しました。ソフトバンクグループ(9984)、NTT(9432)、神戸製鋼所(5406)、キーエンス(6861)、SUMCO(3436)、トヨタ自動車(7203)などがそれぞれ上昇しました。SUMCOは特段の材料が出たわけではないものの、今後の決算発表への期待感から買いが続いているとみられます。材料が出たところでは、小松製作所(6301)が3%超の大幅高で年初来高値を更新しました。先週末に今期の業績予想を大幅に上方修正したことが好感されました。また、同じく今期の業績予想を上方修正したシャープ(6753)も0.8%高としっかりでした。一方で本日の13時半に中間決算を発表したエステー(4951)は決算発表後に急落し3.7%安となりました。前年同期比で5%近い増収、16.6%の営業増益と決して悪い決算ではありませんでしたが、物足りないとの見方が広がったようです。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は一時90円安近くまで売られたものの持ち直して続伸と日本株の強さを示す1日となりました。引き続き高値警戒感の売りと業績期待の買いのせめぎあいが続きそうです。今週は重要材料が目白押しの1週間です。日本企業の決算発表がピークをむかえるほか、ISM製造業指数や雇用統計といった米国の重要経済指標の発表が注目されます。またトランプ米大統領は次期FRB議長を今週発表すると表明しました。一部報道では現FRB理事のパウエル氏が本命ではないかと伝えられています。パウエル氏はややハト派より(金融緩和政策の維持に積極的)と見られており、パウエル氏がFRB議長就任となれば現在の政策運営から大きな方向転換がなされる可能性が低いことから大きな混乱は起きにくいと考えられます。しかしタカ派的(金融引き締めに積極的)であると考えられているテイラー氏の議長就任可能性も残っており、FRB議長人事次第でマーケットが急変動する可能性もあり注意が必要な週と言えるでしょう。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)