1.概況
本日の日経平均は108円高の2万1805円と16連騰となり、昨日つけた連騰の新記録を更新しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数も上昇しましたが新興市場のマザーズ指数は小幅に下げています。昨日の米国市場で主要指数が反落しドル円が113円台前半まで円高に振れたことを受け、日経平均は26円安の2万1670円と反落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に下げ幅を50円まで広げましたが、下値模索のような展開とはならずその後は下げ幅を縮めてまもなくプラスに転じました。しばらく昨日の終値を挟んだもみ合いとなりましたが、10時半頃から明確にプラス圏に浮上すると前場を36円高で終えました。日経平均は後場に入ってしばらくは小幅高での推移が続きましたが、14時頃から上げ幅を広げるとそこから大引けまでほぼ一本調子で上昇し結局108円高の2万1805円と高値引けで取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆5393億円となりました。東証33業種は卸売業や電気・ガス業、鉄鋼など30業種が上昇しました。一方でゴム製品、その他金融業、証券商品先物の3業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は概ね上昇しました。売買代金トップの任天堂(7974)が1%近く上げたほか、三菱UFJ(8306)、ソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、神戸製鋼所(5406)、SUMCO(3436)、みずほ(8411)などがいずれも上昇しました。一方で昨日売買代金トップに入り大幅高となったenish(3667)が本日は3.3%安となったほか、昨日決算発表を行った安川電機(6506)も3.6%安となりました。安川電機は業績予想を上方修正するなど堅調な決算でしたが、足元で株価が大きく上昇していたことから材料出尽くし売りが出たものとみられます。その他材料が出たところでは、外資系証券が投資判断を引き下げた楽天(4755)が2%安と軟調でした。また、同じく外資系証券の投資判断引き下げがあった工場用資材のネット通販を手がけるMonotaRO(3064)は3.3%安となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
米株安と円高でついに連騰記録が途切れるかと考えられた日経平均ですが、結局100円以上上昇して高値引けと市場のセンチメントの強さを示しました。日経平均の25日移動平均乖離率は本日時点で4.8%と一般的に調整局面入りの目安とされる5%に近づいてきています。ここまでくると何連騰を記録するか楽しみな気持ちがある一方で、短期的な調整への警戒を怠らないように注意をはらいたい局面と言えそうです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)