1.概況
本日の日経平均は26円高の2万1363円と小幅に上昇して2015年5月から6月にかけて記録して以来の12日続伸となりました。TOPIXやJPX日経400も上昇しましたが、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数はそれぞれ小幅に下げています。昨日の米国市場でダウ平均が史上最高値を更新したことを受け日経平均は38円高の2万1374円と小幅に続伸して寄り付きました。連日の上昇で高値警戒感もあるなか、日経平均はまもなく上げ幅を縮めて一時マイナスに転じる場面もありました。その後持ち直し前場を18円高と小幅高で終えた日経平均は、後場に入ると再び上げ幅を縮めてマイナスに一時転じました。ただ下値は限定的で取引終盤にかけて騰勢を強めて一時66円高まで上げ幅を広げた日経平均は、結局26円高と小幅に上昇して取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆2840億円となりました。東証33業種は医薬品や陸運業、石油石炭製品など20業種が上昇しました。一方で海運業や鉄鋼など13業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)が2%近く下げたほか、神戸製鋼所(5406)、ソフトバンクグループ(9984)、三菱UFJ(8306)がそれぞれ下げています。昨日まで2日続伸していた神戸製鋼所は本日は3%超の下げとなりました。一方でトヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)、東京エレクトロン(8035)などが上昇しています。材料が出たところでは、ファーストリテイリング(9983)が0.6%高としっかりでした。大手証券が投資判断と目標株価を引き上げたことが好感されました。また、ブリヂストン(5108)は1%超の上昇で上場来高値を更新しました。中期経営計画の説明会で、電気自動車の普及に向けて研究開発を進める方向性を示したことが材料視されたとみられます。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は小幅ながら上昇して12連騰となりました。マーケットの強気なセンチメントは継続しています。もし明日も上昇して13連騰となれば1988年2月の記録に並ぶこととなります。今夜の米国市場では住宅着工件数や米地区連銀経済報告(ベージュブック)が発表されます。年内に利上げが行われるかどうかの判断材料になるため注目されます。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)