1.概況
本日の日経平均は100円高の2万1255円と10日続伸となり、本日も年初来高値を更新しました。TOPIXやJPX日経400も上昇しましたが、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数は下落しています。ナスダック総合指数が史上最高値を更新するなど先週末の米国市場が堅調だったことを受け、日経平均は66円高の2万1221円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に上げ幅を30円高余りまで縮めましたがその水準が1日の安値になるとマーケットの強気なセンチメントを表すかのようにその後は上げ幅を急速に拡大し10時頃に191円高と1日の高値をつけました。その後は上げ一服となり後場にかけてやや上げ幅を縮めましたが、結局100円高で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆6482億円となりました。東証33業種は鉄鋼や保険業、証券商品先物、銀行業など29業種が上昇しました。一方で非鉄金属、空運業、繊維製品、輸送用機器の4業種が下落しました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は概ね堅調でした。売買代金トップの任天堂(7974)が0.4%高と小幅に上げたほか、ソフトバンクグループ(9984)、神戸製鋼所(5406)、メガバンク3行、ソニー(6758)、ファナック(6954)がいずれも上昇しました。データの不正改ざん問題で先週大幅安となった神戸製鋼所は本日も一時4%安近くまで売られる場面がありましたが、終値では2.7%高と反発しています。材料が出たところでは、喫茶店などを展開するドトール・日レスホールディングス(3087)が9.5%の大幅上昇となり上場来高値を更新しました。中間決算で営業利益が前年同期比7.3%増と堅調だったほか、TOBによる自社株買いや配当予想の増額などが好感されました。また、好調な第3四半期決算と合わせて株式分割を発表したマザーズ市場の串カツ田中(3547)はストップ高となりこちらも上場来高値を更新しています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
先週の強気なセンチメントそのままに日経平均は100円高で10日続伸となりました。日経平均が10日続伸したのは2015年5月から6月にかけて12日続伸した以来です。今週もさらなる株高を期待したいところですが、週末に総選挙の投票日を控えていることや北朝鮮がミサイル発射実験を準備しているとの報道もあり、そういった材料がリスク要因として意識されそうです。また、ドル円が111円台後半と先週から徐々に円高に振れており今のところ株式市場はほとんど気に留めていないようですが、110円方向への円高傾向が続くようであれば日本企業の業績にネガティブな要因として徐々に意識される可能性があり注意を払っておきたいところです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)