1.概況
本日の日経平均は昨日までの堅調な地合いを引き継ぎ7日続伸となり、連日で年初来高値を更新しました。19円安の20,803円と小幅に反落して寄り付いた日経平均はやや下げ幅を広げ35円安の20,788円まで売られましたが、下げ渋ると10時20分ごろにプラスに転じ20,800円台後半まで上げ幅を広げ14時40分過ぎには74円高の20,898円まで買われました。引けにかけてやや上げ幅を縮めた日経平均ですが、結局57円高の20,881円で取引を終えています。こうしたなか新興市場は軟調で、東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均はともに小幅に下げています。
2.個別銘柄等
パナソニック(6752)とソニー(6758)が明暗を分ける格好となりました。投資判断の引き上げを受けてパナソニックが一時2%近く上昇したのに対して、ソニーは投資判断の引き下げを嫌気して一時2%余り下落しました。下げが目立ったのがサンリオ(8136)や高島屋(8233)で、サンリオは通期の業績予想と配当予想を下方修正したことで10%近く下落しました。高島屋は通期の業績予想を上方修正したものの材料出尽くしで4%以上下げています。そのほか下げがきつかったのが神戸製鋼所(5406)で、アルミ・銅事業部門の製品の検査証明書のデータ書き換えなどの不正を行っていたと発表し昨日にストップ安となったのに続き、同様の改ざんを鉄粉でも行っていた疑いがあると伝わったこともあって本日も売りが止まらず18%近く下げ、売りが膨らむなか東証1部の売買代金でトップとなりました。反対に東証1部の売買代金上位銘柄で上げが目立ったのが7位のリクルートホールディングス(6098)で3%近く上昇し、7日続伸となり昨日に続いて上場来高値を付けています。売買代金で10位に入ったファナック(6954)も2%近く上昇し年初来高値を更新しています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は2015年6月に付けたアベノミクス相場での高値(20,868円)を小幅に上回り、1996年12月以来約20年10カ月ぶりの高値を付けました。これにより上値余地が広がった日経平均ですが、予想PERが14倍台後半でバリュエーション面に割高感がないことからさらなる上値が期待できそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)