1.概況
本日の日経平均は213円高の2万614円と続伸し、連日で年初来高値を更新しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数も上昇しましたが、新興市場のマザーズ指数は小幅に下げています。昨日の米国市場で主要3指数が揃って史上最高値を更新したことを受け、日経平均は74円高と続伸して寄り付きました。日経平均は寄り付き後しばらくは上げ幅を縮めましたが、10時過ぎから持ち直すとドル円が113円台をつけたこともあり10時半頃から急速に上げ幅を広げました。前場を157円高で終えた日経平均は後場に入っても堅調に推移し、引けにかけてさらに上げ幅を広げて1日の高値圏で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆2821億円となりました。東証33業種は鉱業を除く32業種が上昇しました。中でも不動産業と電気・ガス業は2%を超える上昇となっています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが上昇しました。売買代金トップの任天堂(7974)、トヨタ自動車(7203)、三菱UFJ(8306)、日産自動車(7201)、ファーストリテイリング(9983)、ファナック(6954)などがいずれも上昇しています。ソフトバンクグループ(9984)は変わらずとなりました。材料が出たところでは、キユーピー(2809)が5%近い大幅高となりました。昨日発表した第3四半期決算で6-8月の3ヶ月を見ると前年同期比増収増益で、減益だった3-5月から業績が持ち直したことが好感されたとみられます。一方で低価格衣料のしまむら(8227)は1.2%安と冴えませんでした。通期の業績予想を従来予想から下方修正したことが嫌気されました。また、米投資ファンドのベインキャピタルが株式公開買い付け(TOB)を実施し非上場化する見通しとなった広告代理店大手のアサツーディ・ケイ(9747)は20%近い大幅高となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は円安を好感して大幅高となり、連日で年初来高値を更新しました。東証1部の騰落レシオは128%とやや過熱感のある水準まで上昇していますが、日経平均の目先のターゲットとしては2015年6月につけたアベノミクス後の高値である2万868円を上回れるかというところが意識されそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)