NYダウ: 22296.09 ▼53.50 (9/25)
NASDAQ: 6370.59 ▼56.33 (9/25)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は北朝鮮の外相がトランプ米大統領のツイッターへの投稿に対して「明確な宣戦布告だと」述べたことで改めて北朝鮮への警戒感が高まるなかハイテク株を中心に売りが出て下落しました。小幅に下げて始まったダウ平均は北朝鮮外相の発言を受けて下げ幅を広げると昼前に一時130ドル安まで売られました。その後持ち直したダウ平均ですが結局53ドル安の22,296ドルと3日続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も56ポイント安の6,370ポイントと反落となっています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや電気通信サービス、公益事業などの6業種が上げ、エネルギーは1%を超える上昇となりました。一方で情報技術やヘルスケア、一般消費財・サービスなどの5業種が下げ、情報技術は1%以上の下落となっています。
4.個別銘柄動向
ビザ(V)が2%を超える下落となりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、マクドナルド(MCD)も2%近く下げ、この2銘柄でダウ平均を35ドル余り押し下げました。また、マイクロソフト(MSFT)やアップル(AAPL)、インテル(INTC)といったハイテク株も軟調でした。一方で原油価格の上昇を受けてエクソンモービル(XOM)が1%を上回る上昇となり、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。ダウ平均構成銘柄以外では、ソフトバンクグループ(9984)傘下のスプリント(S)が急落しました。TモバイルUS(TMUS)との統合でソフトバンクグループがプレミアムなしの合併案で合意する意向を示していると報じられ売りが膨らみました。また、最高経営責任者(CEO)の株式売却を発表したフェイスブック(FB)も大幅安となっています。ゼネラル・モーターズ(GM)は目標株価の引き上げを受け買われました。
5.為替・金利等
長期金利は北朝鮮への警戒感が改めて高まるなか安全資産の米国債が買われ0.03%低い2.22%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ111円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安と円高を受けて本日の日本市場は下落してのスタートが予想されます。本日は9月末に権利確定となる銘柄の権利付き最終売買日ですが、利益確定の売りが出やすいなかで日経平均が権利取りの動きなどから下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)