NYダウ: 22203.48 △45.30 (9/14)
NASDAQ: 6429.08 ▼31.10 (9/14)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は利益確定の売りが出やすいなか小幅に高安まちまちとなりました。ボーイング(BA)などの上昇に支えられたダウ平均は前日に続いて史上最高値を更新したものの、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は反落となっています。ダウ平均は小幅に下落して始まったもののしばらくしてプラスに転じると午後に入ってやや上げ幅を広げる展開となりました。取引終盤に60ドル高近くまで買われる場面もみられたダウ平均は結局45ドル高の22,203ドルと5日続伸となり、3日連続で史上最高値を更新して取引を終えています。一方でS&P500株価指数が2ポイント安の2,495ポイントと反落したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も31ポイント安の6,429ポイントとこちらも反落となっています。
2.経済指標等
8月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.9%上昇し市場予想も上回りました。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数も1.7%上昇し市場予想を上回っています。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万4000件減の28万4000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や不動産、資本財・サービスなどの6業種が上げました。一方で一般消費財・サービスや電気通信サービス、情報技術などの5業種が下げています。
4.個別銘柄動向
大統領専用機「エアフォースワン」の次期モデルの初期設計の契約を約6億ドルで受注したボーイングが1%を超える上昇となり、ダウ平均を1銘柄で20ドル以上押し上げました。そのほかダウ平均構成銘柄では、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)が2%を上回る上昇となりダウ平均を20ドル近く押し上げたほか、ファイザー(PFE)も2%近く上げています。一方でトラベラーズ(TRV)とウォルト・ディズニー(DIS)が1%前後の下げとなっています。ダウ平均構成銘柄以外では、製薬大手のブリストル・マイヤーズスクイブ(BMY)とライセンス契約を結んだと発表したバイオ製薬のハロザイム・セラピューティクス(HALO)が急伸しました。病院経営大手のテネット・ヘルスケア・コーポレーション(THC)も身売りを検討していると発表したことで大幅高となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い2.18%となりました。ドル円は米CPIが市場予想を上回ったことで一時111円台を付ける場面もありましたが、目先の利益を確定する目的の円買い・ドル売りが次第に優勢となるなか、北朝鮮によるミサイル発射を受けて朝方にさらに円高が進み110円前後での推移となっています。一時109円台半ばまで円高となる場面もみられました。
【VIEW POINT: 今日の視点】
北朝鮮によるミサイル発射を受けて地政学リスクが改めて意識されるなか本日の日本市場は下落してのスタートが予想されます。利益確定の売りも出やすいなか日経平均が底堅さをみせるのかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)