1.概況
本日の日経平均は230円高の1万9776円と大幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場は北朝鮮リスクや大型ハリケーンによる損害への懸念が後退したことから主要指数が大幅高となりS&P500は史上最高値を更新しました。また、ドル円が109円台まで円安に振れたこと、朝方に国連安保理が北朝鮮の制裁決議を全会一致で採択したことを受け、日経平均は190円高と大きく続伸して寄り付きました。本日の日経平均は1日を通して高値圏での堅調な推移となりました。寄り付き後も堅調に推移し195円高で前引けをむかえた日経平均は後場に入っても弱含むことなく推移し、一時は上げ幅を250円近くまで広げました。日経平均は結局230円高の1万9776円と大幅に続伸して高値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆2254億円と2兆円の節目を上回りました。東証33業種は小幅に下落した建設業を除く32業種が上昇しました。中でも3%近く上昇した保険業、2%超上昇した証券商品先物など金融関連業種の強さが目立ちました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は売買代金5位のソニー(6758)を除くほとんどの銘柄が上昇しました。売買代金トップの任天堂(7974)が3.3%の大幅高となったほか、三菱UFJ(8306)、ソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、ファーストリテイリング(9983)、三井住友(8316)がいずれも上昇しました。政府保有株の追加売出とともに1000億円を上限とした自社株買いを行うと発表した日本郵政(6178)は売買代金8位に入って4%近い大幅高となっています。その他材料が出たところでは、スマートフォン向けアプリなどを手がけるgumi(3903)が8%を超える大幅安となりました。第1四半期は会社予想を上振れて着地したものの前年同期比営業減益で、第2四半期累計でも前年同期比大幅な営業減益となる見込みとなったことが嫌気されました。また、国内証券が投資判断を中立に引き下げたサイゼリヤ(7581)は7%近い大幅安となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
過度なリスク回避ムードが後退し、日経平均は大幅高となりました。日経平均は2日間で500円超上昇していることから利益確定売りが出やすいとみられるなか、早期に2万円の節目を回復できるかが焦点となりそうです。また、一旦はリスク回避ムードが後退したものの、国連安保理の制裁決議を受け北朝鮮がどのような対応を行うか注目されます。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)