NYダウ: 22057.37  △259.58 (9/11)
NASDAQ: 6432.26  △72.07 (9/11)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は週末に北朝鮮による挑発行為がなかったことや、大型ハリケーン「イルマ」による被害が警戒したほど大きくないとの見方から上昇しました。130ドル高と大きく上昇して始まったダウ平均は上げ幅を広げると昼過ぎに270ドル高近くまで買われました。その後も高値圏で堅調に推移したダウ平均は259ドル高の22,057ドルと続伸し8月16日以来およそ1ヵ月ぶりに節目の22,000ドル台を回復して取引を終えています。また、S&P500株価指数も26ポイント高の2,488ポイントと3日ぶりに反発し8月7日に付けた史上最高値を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も72ポイント高の6,432ポイントと反発しています。

2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも金融、情報技術、素材、エネルギーの4業種が1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はホーム・デポ(HD)とゼネラル・エレクトリック(GE)を除く28銘柄が上げました。そのなかでもダウ・デュポン(DWDP)が3%余り上昇しダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、大型ハリケーン「イルマ」の被害が警戒したほど大きくないとの見方からトラベラーズ(TRV)も2%を超える上昇となっています。また、長期金利の上昇を受けてゴールドマン・サックス(GS)やJPモルガン・チェース(JPM)も1%を上回る上昇となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、ハリケーンの過度な懸念が後退したことで航空株が買われ、デルタ航空(DAL)やアメリカン航空(AAL)、格安航空会社のジェット・ブルー(JBLU)などが大きく上げています。さらに新たな最高経営責任者(CEO)の選任を発表したイスラエルの後発薬メーカー、テバ・ファーマシューティカル・インダストリーズ(TEVA)が急伸しています。一方で投資判断の引き下げを受けて写真・動画共有アプリのスナップ(SNAP)が軟調でした。

5.為替・金利等
長期金利は0.08%高い2.13%となりました。ドル円はリスク回避姿勢が後退しさらに円安となり109円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高に加え、ドル円がさらに円安となっていることから本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。国連安全保障理事会での北朝鮮に対する追加制裁決議への北朝鮮の反応などが注目されますが、こうしたなかで昨日に大きく上げた日経平均がどこまで上値を伸ばせるのかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)